多聞コラム3jul2018_vol,204 防具を付けて指導する理由

 先日はノジマ対早稲田の練習試合で両方のチームを行ったり来たり23回の特殊体験をしましたが、今週行われた試合は早稲田の1年生対中央大学の1年生の「新人戦」というものです。片側のコーチをするのがこんなに簡単なんだと再認識しました。。。

両チームともに限定された同じ作戦を使って、単純にチカラのぶつかり合いを楽しむのです。セコくゴチャゴチャと複雑にしたヘンテコプレーが無い、非常にわかりやすくて若者らしいフットボールです。作戦で勝負するのではなくミエミエでバレバレのプレーとわかっていてもしっかりチカラを発揮して戦う。見ていて清々しかったです。

また彼らが何年かあと、早ければ今シーズンにリーグを揺るがせる活躍を見せてくれれば良いのですが。ランニングバックにも将来有望な選手がたくさん入ってきました。非常に楽しみです。

早稲田はこのゲームで一旦春のシーズンが終了し、夏期テストが始まるのでチーム練習ではなく自主トレ期間になって行きます。学生の本文は勉学で、ビッグベアーズは文武両道を目指す組織ですのでオフ期間も選手たちは大変です。

僕がコーチを始めてから2年以上が経過しフットボールと言いますかランニングバックを見る視線や考え方がどうもコーチ寄りになって来ています。とは言え運営企画や戦術戦略立案にはほとんど関わらないので近所のオッサンがフラッと遊びに来ているに近いのですが「フットボールの難しさ」への理解がボケてくる面が稀に起こってしまうので、昨年も夏の間はチームの倉庫に余っていたヘルメットとショルダーパッドを借りて選手の練習台になったりしながら力の入れ具合だったりの技術面や、実際に対人でヘルメットにヒットを受ける(ヒットする)感覚と言いますか衝撃を味わっておきました。

昔自分が出来たことや、やろうとした事をさも簡単なことのように選手たちに説明したり反復させたりしてはいるものの、コーチが口で言うほど簡単だったか?を検証する為です。選手の大変さと苦労を忘れてあくまでも客観的に評価して指導していても話が前に進まない事もあるので、何とか健康で体が動くうちは(自分の運動のためにも)選手目線になって指導内容を変化させています。昨年借りていた防具一式は誰かが使っているのか無くなっていたので、明大前エフフォースさんで旧モデルの現品特価激安品を大特価で購入しました。

まあ今の時代、40歳以上しか入部できないシニアフットボールリーグがあるくらいですから49歳になった僕も張り切りすぎなければ命の危険は無いでしょう。大怪我しないように油断せず慎重に行動します。

そしてオフ期間だからこそ鍛え放題なわけですので、div1所属の選手限定で希望者を募り今週末「タモン式夏合宿@九十九里」を敢行する事になりました。僕自身が選手としてピークを迎える少し前からやっていたトレーニングを皆んなに体験してもらう企画です。2日間で18時間みっちり泣くほど「最強ランニングバックになる為の鍛え方」を学んでもらいます。各々のチームが開催する夏合宿が単なるレジャー旅行に感じられるような充実したプランを用意してあります。

砂浜というのは慣れていなければ歩くだけでも大変です。油断すればスグにバランスを崩しますし、体が数十キロ重く感じる素晴らしい練習場です。今回予定している10コマ9種類のタモン式トレーニングは全員が人生最速の脈拍で笑いながら運動し続ける為の工夫に溢れています。

台風が近寄って行きているので暑さと日焼け地獄は免れるかもしれないことが彼らにとってはラッキーかもしれません。水やスポーツドリンクを用意してくれる人、流血を止めてくれる人、痛そうにしていたら心配してくれる人、痛いところを揉んでくれる人、いつも甘えまくっている人たちが全くいない中で、日本最悪の指導者が時間を気にせずゴリゴリにシゴくわけです。彼ら彼女らサポート部隊が存在する有難さを心の底から痛感する事でしょう。

いつもの勝手知ったるMY練習場では無い、行ったこともなければどんな練習内容かもわからない、砂浜と言っても濡れた波打際や乾燥した部分では全く違います。雨や風の影響、あらゆる未知の部分を可能な限り予測して準備しておく。心の準備然り、適したシューズやウェアの選択、その場その場の状況判断はもちろんですがこの「未知への準備」が参加者にとって非常に大変だと予測されます。

トレーニング以外での移動はバスなのかタクシーなのかそれとも徒歩なのか、どのくらいの荷物を担いでいても皆んなが進む速度に影響を与えないのか、飲料水は持っていくのか買えるのか、灼熱の砂浜に水を置いておけば少しの時間で熱湯に変身してしまう、その為にはクーラーボックスが必要か?でもそんなものを運ぶのは大変かもしれない、日陰はあるのか、本当に気絶や大怪我をしたら誰が処置してくれるのか、十分に予測して何が起こっても動じず冷静に判断し行動する。こういった事もこの合宿で身につけてもらう項目のひとつです。とは言っても結局は楽しい慰安旅行なのかもしれません。質問の中に「酒は飲まされますか?」というのもありました。

トレーニングが超のつくハードな内容なのは言うまでもありませんが、逆境の中でいかに立ち回ることが出来るのか? 想定内な事しか起こり得ないフットボールの試合を、この合宿を経験すれば本当の意味での「ゲーム」と感じられるようになるかもしれません。さあ皆さん頑張りましょう!

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