多聞コラム27jul2020_vol,249 佐藤伊織インタビューVol,2

佐藤伊織インタビュー 後編

今回は前回の続編という事で、現在はIBMビッグブルーに所属する京都大学出身の佐藤航生選手と早稲田大学出身の元山伊織選手にインタビューしております。日本のフットボール選手で僕がリスペクトするお二方です。頭脳や運動神経に集中力など、元々備わっているそれぞれが平均よりも遥か上。そして最終学年に賭けた1年間の「熱い思い」と「努力」は近くで見ていた僕には尊敬の念しかありません。同年代の頃の自分では到底真似できない厳しさを乗り越えてきた彼らの生の声「後編」をお聞きください。

多聞:はい、じゃあ次は大学生だった時の自分に何かアドバイスするとしたら?

伊織:色々考えてみたんですけど、やっぱり「一回死んでみろ」って言いたいですね。死ぬんちゃか!と思ったことは何度かありますし、痛くて痛くて立てなくなりそうなこともありました。でも実際死んでないし、立ててました。だからもっとヤレたんちゃうかなかと思います。タモンさんに「ヘタレか?」て言われるの嫌だったし。

多聞:ヘタレな脳みそにフッと浮かぶ逃げ口上なんていちいち気にしてたら勝たれへんからなあ。まあ佐藤は通信教育だしそんなキツい練習はやらせたことは無いけど、伊織が引退してからの後輩たちはもっと大変な練習してるんやで。大体3倍くらい大変かな。つまり伊織はあと3倍は出来たやろなーって思ってる。でもそんな事を無関係にするほど伊織の能力が高かったからそれほど練習しなくて良かった。頭も良かったし、新しい事を教えてもすぐに自分のものに出来たからね。でも君の後輩らは残念ながら当時の伊織にまだ及んでいない。目標設定の甘さやブレがあるので今は心のブレークスルーに挑戦中。だからまだまだしんどいだろうし、本当に大変だと思う。コロナ問題もあるし、色んなプレッシャーとかも含めて。

伊織:はい。たまに早稲田のwebミーティングに参加とかさせてもらってある程度把握出来ていますけど、会議中とかの受け答えなんかも下手くそですもんね。こいつら大丈夫か?て1分毎に思いますもん。

多聞:そうやねー。伊織と比べると全然違うねー。

佐藤:それどういう事?会話にならないの?

伊織:うーん。なんて説明したらええかわからんけどとにかくコミュニケーションが難しいねん。

多聞:で、話を戻すと、冷静に考えて伊織はもっと出来たハズやねん。だって大してトレーニングもしてなかったやん。ほぼナチュラルな体で毎日グランドきてフットボールしてただけやん。

伊織:そうですねー後輩らに比べたら全然してなかったですねー。でも今はウエートトレーニングも効果がすごく出てまして大学時代よりもかなり強くなってるんですよー!

多聞:毎日走ったりしないし体が疲れてないからなー

伊織:摂取カロリーが消費カロリーに追いついて無かったんですねー。社会人なってしみじみ感じますわ。これやったらナンボでも体デカくなれそうですわ!

多聞:そんな事、全部担いで教えに行ってたけどお前が全然言う事聞かへんかっただけやんけ。今更そんな検証要らんねん。20年以上前から自分で自分を実験し続けてわかりきっとるから偉そうに指導してんねん。まあそんなんも含めてもうちょっと俺のことを信じられてたら良かったな。

伊織:はい、ホンマっすね。あとチームビルディングで言うたらチーム全員に嫌われてみろって言いたいです。

多聞:それも100回以上俺が言うてたやつやん。

伊織:はいー言うてましたね。だから結局はタモンさんの言うてることを100%体現しろ!って言う感じですねー。

多聞:しかしこれら事実やけど、俺が書く文章やし単に自慢みたいなってまうからショボなるやん。もうちょっと他に無いの?

伊織:チーム全員に嫌われてみろ。それぐらい意見を言え!ですかね。佐藤はどうなん?

佐藤:あ、いいですか?伊織長いわ!難しいですね。まず一つは、4回生だとか色んなことを無駄に背負ってしまって、そこをもっと「勝つこと」だけに邁進して純粋にアメフトが上手くなること、強くなること、だけにもっとフォーカスして欲しい!と。

多聞:ほうほう。

佐藤:そしてもう一つは矛盾してしまうんですが、神戸、近大、関学、立命には負けてしまったので、勝つためには無駄だったことや余計なものを取り払って、もっともっと切羽詰まって危機感持って真剣にやれよ!って言いたいです。以上です。

多聞:佐藤が4回生の時より、5回生コーチしてた昨年の方がナンボかチームの成績は良かったよな?

佐藤:はい、順位はそうなんですがまあ大した差では無いです。

多聞:関大には3回生4回生の時に勝ってたよな。

佐藤:はい。

多聞:おれがみた時、3回生の時に比べたら、4回生になってからはチーム練習中に周りに対して「がんばろがんばろー」って言う回数が2回くらい増えたもんな。

佐藤:へへへ。4回生だってことで、自分を押し殺してたりってところがあったから、自分が正しいと思ったことは意地でも貫き通してもっとできたんじゃないか?って言いたいです。

多聞:じゃあ次は、後輩らにアドバイスするとしたら?就職したしIBMの練習行って少し外の世界を感じたんでは?

佐藤:自分が現役の時にいろんなOBの方が練習に来てくださって皆さん仰ることが「アメフトに100%集中出来る時間はめっちゃ幸せなんだぞ!」みたいなことを言ってくださって「お前らが羨ましい!」て言われててめっちゃムカついてたんですけど

多聞:ギャハハハハ

佐藤:そんなわけないだろ!って思ってたんですけど、確かに自分がこっちの立場になると仕事あったりとか色々ある中で全部の時間をアメフトに賭けられるっていうのはめちゃくちゃ幸せだなと思うし、一つのことに賭けられる時間ていうのはもう今後あんまり無いだろうし、皆んなには幸せに感じながら楽しんでやってほしいなって思います。

多聞:なるほどー。コレはエエ事言わはったでーヤバイでー元山さんーー!!さあどうぞー!!

伊織:(笑)

佐藤:タモンさんマジで言うてますー?

多聞:いやいやマジやって。俺は二人と違って大学時代は3回生からアメフト始めて、1日2時間限りのグランド利用可能時間だけ練習して終わったらピューっとバイト行って、そのあとは朝まで繁華街をウロウロしてただけやから。で夕方起きてクラブ行っての繰り返し。大学を卒業してからは信じられないほどのアメフト漬けな10年間を送ってたやんか。だからその気持ちはわかれへんねん俺には。その「アメフトに集中出来るのは今だけ」て意見は俺は違うと思ってる。それは超一流大学出て最高の会社に入って超ド級の給料と安定した未来を得たいからアメフトに打ち込んでられなくなるって意味やろ。俺にはその環境がそもそも無かったのもあるから佐藤とは違った意味でそういう意見に賛同できないけどな。

伊織:タモンさんの学生の時の話とか遊び方とか聞いたらめっちゃ羨ましいもん。俺らみたいな普通の学生からしたら、そんな楽しみ方とか遊び方があるんやーて思うねん。楽しい事に対しいての欲がエグいっすよね。アイデアがちゃうますわ。

多聞:せやねん。オモロそうな事には目がないねん。

伊織:貪欲すぎます(笑)遊びへの探究心みたいなんが僕は足らないなって思いますもん。

佐藤:ハハハハハ

多聞:貪欲すぎて渚キャンプとかメチャクチャしんどくなってるもんな。シゴくの面白すぎて。

伊織:えげつないっす。

多聞:でもな、今年はコロナで渚キャンプ行かれへんようなってしもたやん?だから日帰りで砂浜ダッシュだけしに行こか思て。でもそんなしたら結局ただの海水浴兼バーベキューするだけなりそうやし、企画するところまで行かんかったわ。

佐藤:またあれば後輩らを誘ってやってください!

多聞:砂浜走ってるシーンちょっとだけ撮影して「今年もやりました!」みたいにするか!

伊織:それで良いじゃないっすかー!だって僕の時の渚キャンプで一番楽しかったんBBQですもん。僕らジュースでタモンさんだけ内緒でチューハイ飲んでたアレっす。

多聞:んじゃ元山さん後輩にアドバイスせえや!

伊織:はい、よく文武両道って言われてるんですけど、スポーツも勉強も頑張りなさいってやつです。両道って何を定義にしてるか?なんすけど、単にクラブ活動と授業に行くのを両方やってる。てだけで文武両道だと思ってるやつが多いんですよ。部活もソコソコで、勉強は単位落とさない程度にやってる。のは文武両道とは言わない思うんです。そうではなくて、両方とも限界ギリギリ100%まで必死で打ち込んでしっかり結果も出す。エネルギーも時間も全て神業のようにマネジメントしてやり抜く。生活やいろんな事を100%+100%の200%で生きてるんか?それが文武両道やぞ。て言いたいと思います。部活を休まず行って、単位を取るだけが文武両道ちゃうねんぞ。と言いたいです。

多聞:トップの成績取って、決勝戦で大活躍する。のが正解ってことやね?単位取ったくらいで「文」て言わんといてくれ!ってことやね。まあ確かに俺ですら合計140単位くらい取ったような覚えあるし。

伊織:タモンさんは学力低い大学ですやんか。僕らと同じにせんといてください。

多聞:文武両道って、そういう意味やったんやね。勉強なったわ。

佐藤:タモンさん、1個追加して良いですか?後輩に伝える事。

多聞:はいどうぞー

佐藤:京大アメフトって「国立大で日本一目指してるぞ!」て言われるじゃ無いですか

多聞:外部からはそうやね

佐藤:そう言われながら生きて行ってるので自分たちの歴史や努力に間違いはない。今までの京大アメフトがこうだったからこれやっときなさい。が必ずしも正解ではないと思うんです。でも就職して外の世界の人々と接していると僕らの学生時代はかなり閉鎖された中で生きてたなー、ておもたんでもっと広い視野で生きて欲しいなと。他大学の選手や、部活してない人がどんな生活してるのかとかまで、いろんな物を見て知っておくことが、これから生きていく為にも大切だし、フットボールで日本一になるって事にも繋がってると思うんです。それが今僕が京大ではない世界に出てとても感じていることなんです。

多聞:難しいなそれ文章で書くの。耳で聞いてると気持ちは伝わるんやけど。まあ何とかするわ。

伊織:学生の最後、甲子園とか色々あると思うんですけど、そこで負けたら人生負け組やと思うんですよ。日本一なれなかった奴なんだって烙印押されるんです。で、それを変えたかったら学生時代にやるしかないんですよ。ここで自分の人生決まるんで、僕は負けたのでもう一生勝てないんですよね。

多聞:無理にエエ事言おうとせんでええで。まあ、俺たち3人とも関学の引き立て役やったしな。俺にとっての関学はダラス・カウボーイズとか読売巨人軍と同じやから。子供の頃から知ってて憧れて、ほんで勝てなかった強大なチーム。じゃあ社会人生活頑張ってください。今回はありがとうございました。

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