Xリーグのノジマ相模原ライズが、次週にアサヒビール・シルバースターとのX1スーパー残留を懸けた入れ替え戦を控えて最後の調整をする中、僕は早稲田大学が出場する「甲子園ボウル」に帯同しました。
結果は皆さんご存知の通り、関西学院大学の歴史と奥行きにまたも届かず敗北。点差は昨年度よりも縮んだとはいえ、内容は完敗でした。
フットボールを初めて見た人でも凄いと分かるWR「ブレナン翼」という、学生レベルでは桁が違う素晴らしい選手の大活躍でスコアボードの見た目は何とかなりました。
彼に60回ボールを渡してチームの運命を任せるべきだったのではと、多くの方から言われたりしていますが、彼は漫画の主人公でなく生身の大学生。そこまで負担を掛けることはできませんでした。
RB陣はと言いますと、ここ数年練習してきたことをある程度発揮できていたように思います。
今秋、そんなスーパーマン候補として下積みをしていた素晴らしい素質を持った高校アメフト未経験の選手がDLにコンバートされてしまい、「関学をRBが力でねじ伏せる」というプロジェクトは消滅してしまいました。
そんな中で突出したタレントではない他の選手らも地道にコツコツと鍛錬を積んできて少しずつ上達してきました。
結果は誰一人満足のいく成績ではなく、また翌年へ希望を持って頑張るのだと思います。
過去、関学に勝利したチームがどんなだったか。僕は1980年代前半から関西学生フットボールを見ていますが、ザックリ言うと関学のシステムを上回るスーパーマンを多く用意できたチームであったと思います。
1970年代後半から80年代では京都大学、日本大学。90年代にはそこに立命館大学が加わり、主力選手らは社会人リーグでも大活躍、NFLヨーロッパにも参戦するアスリートが次々に出てきました。昨今では殿堂入りされたりと、とにかく「超人」ばかりです。
2000年代にはようやく法政大学が甲子園ボウルで単独優勝するようになり、1度ですが関西大学も出ています。
いずれのチームにも「超」のつく優秀な選手が存在していたことが共通点です。「凄い選手が力でねじ伏せる」。これが関学に対抗できる方法だと僕は思います。
ある甲子園優勝経験校のOBが試合後に、こんなことを僕に言ってくださいました。
「ぎちぎちのノウハウで整備された関学は、本当に強い。学生だけじゃなくチーム全体で試合をなんとかする力を持っている。正攻法じゃとても勝てない。関学が受け入れられないほど、理解に困る存在が必要。だって、パターンにハマるレベルじゃ、関学は答えを持っているんでしょ。東京大学に絶対受かる賢い奴は、どんな受験問題でも答えが出せる。それがアメフト界の関学。そういう人たちを困らせるには『生きる意味とはなんですか?』『この写真で一言!』みたいな質問くらいしか、困らせられない気がする」
まさにそうだと思います。普通の大学生の持つ能力では、今回の早稲田が限界です。
彼らも我々も時間の許す限りやれることを全てやってきました。遊ぶことも、アルバイトもせず、学業とフットボールを休みなく全力で真面目に一年中一緒にやってきましたが、優勝という目標にはたどり着けませんでした。
自分たちに足らないものは何か? どんな努力をすればいいのか? それらを模索するまた新しい一年の始まりです。
選手の能力を向上させる方法を僕はハッキリと知っていますが、それがチーム全員に当てはまるわけではありません。
モチベーションが沸騰して今にもあふれそうな人への指導は、かなり高いレベルで実行してきたと思いますが、まだまだ足りないことだらけでした。
応援してくださった皆さま、ありがとうございました。本当は早稲田大学史上、初の甲子園ボウル優勝をお見せしたかったのですが、それができずとても残念です。

