僕自身、甲子園ボウルのサイドラインに立つのは2度目の体験です。しかし学生フットボール界のモンスター関西学院大学ファイターズに1度のリードもさせてもらえず完敗を喫してしまった我々早稲田大学ビッグベアーズ。ロッカールームで流す4年生らの涙は、無神経な僕の心にすら重く突き刺さりました。
彼らの努力はスコアボード上では報われませんでしたが「死ぬほど悔しいがこの負けから色々学べた。コレを糧にしてこれからの人生に活かす」とエースRBの元山から力強いメッセージが聞けました。大学生の時にこれ程まで真剣に今と未来を見据えた行動など、全く考えられなかった自分と比べると本当に立派で紳士な戦士達でした。試合結果はとても残念ですが、手抜きせず一生懸命頑張って過ごしたこの時間がいつかとても価値のあるものになるって事は大人なら皆んな知っている事ですので彼らの未来は安心ですね。
毎日毎日僕の家に来てくれてフットボールの話をし、トレーニングしたり陸上競技場に走りに行ったり、時には遊んだり。またフィールドでの僕の厳し過ぎる指導に不満な顔一つ見せず直向きに黙って笑顔で元気よく付いて来てくれました。僕もみんなの著しい成長が嬉しく、毎日がとても楽しくやり甲斐があり、長年かけて積み上げて来た「タモン式フットボール」で大真面目に遊んでくれたみんな、本当にありがとう。来年チームから居なくなる4人のRBの偉業は残った下級生らが伝説にしていってくれると思います。傷んだ身体をよく休めてください。本当によく頑張りました。
そして既に次のシーズンは始まっていると前回のコラムでも書かせて頂いたように、甲子園ボウルの勝敗に関係なく下級生らのレギュラー争奪戦が正式にスタートです。ワセダ入団3シーズン目の僕と言わば同期の3年生4名。彼らが1年生の時から軽くシゴいて来た訳で、いよいよタモン式以外の理論が比較的混ざって居ない年代に突入したのです。ただ、どの選手も大学Div1レベルでの試合経験が少なく、ゲームパフォーマンスは全員未知数。ですからチーム活動の活発でない今のような時期から1日でも早く体を激しく動かしておくのが2軍選手の使命と言えます。僕も2軍時代はチームのシーズンエンドに関係なく年がら年中ズーッと身体を鍛えていた事を思い出します。
早稲田大学ビッグベアーズは、フットボールインテリジェンスに優れたメンバーが揃い、学業と学業の空いた時間を有効に使った活動をする事で、教育の側面とスポーツ体験を両立しています。ただ、弱点もあります。忙し過ぎる余り、摂取した栄養が体に蓄積されておらず痩せ型の選手が多い。そもそも食が細いのかもしれません。何れにせよそんな状態ではタフなシーズンを無傷で突っ走るどころか大怪我をしてしまう可能性も増えてしまいます。しっかり時間をとって鍛えていても、食事が昔の苦学生みたいなことでは日本一のランニングバックになられへんで!なんて言ってハッパかけています。
著名なトレーナーさんが「腹減った時に美味いもんを食べてないから、食べられる量が少ないんじゃないかな。食事を美味しく摂れていないはず。」と仰ってました。食の細い人は体重制じゃない格闘競技に向いてないんや!で終わらせたいのですが、ほとんどみんながそうなのでこちらも工夫が必要なようです。
狭いのですがトレーニングスペース(英語ではSMALL GARAGE GYMなんて言います)の作れる家へ新年早々に引っ越すことにしました。ガッチガチに鍛えた直後に、我が家で暖かいマトモな食事を摂らせれば上の問題が少しは解決するのかもしれないかなと、淡い期待をしています。
とにかく、次世代の選手らが今季のレギュラー陣を凌駕する努力を見せてくれなければ話は始まりません。上級生は自身の競技力アップだけでなく、リーダーシップにチームビルディング、大人らとの折衝、そして就職活動ととにかく忙しくなります。
さあ、自分の全てのチカラを出す時が来ました。悔いのない最終学年を送って欲しいものです。
