多聞コラムVol,283 失敗を繰り返して何度も何度も訓練するのが王道

新しいスポーツ(種目は内緒)を習い始めて、先日で3度目のレッスンを受けてきました。1度目と2度目に習った事がより実戦向けになり難易度も運動量も上がり、右往左往して先生の指導を必死に聞きながらも手足の筋力が段々と落ちてきました。呼吸もハアハアとなっているので集中力を保つことが段々と難しくなってきました。ぶっ通しで同じ動きの練習を続け、疲れが限界になりつつ動きに少し慣れを感じてきた時に先生の指示通りの動きが出来たのです。先生は咄嗟に「それそれ!その動きです!」と叫びました。

これまでも、1ミリか2ミリ上達すると「上手上手。その調子です」なんて言ってご商売ですからヘボでも期限を損ねないよう現代風の「褒めて伸ばして」くださいましたが、さっきの「それそれ!その動きです!」の言い方はちょっと本気が入っていたように感じました。僕もランニングバックを指導している時に選手が少し上達したら「それそれ!その動きです!」を言わないといけませんね。今度挑戦してみます。

疲れが出て体が自然に良い具合に脱力し、無駄なリキみが取れた状態で正しい感覚を感じ取れました。すでに90分以上ギラギラした太陽の下、休憩も挟まず水も飲まずでかなり旧式なシゴキ教室ですが、初心者から初級者への道が見えた瞬間でした。当然のことながら指導されながら理屈を頭で考えて取り組んでいるレベルなのでよそ見をしたり会話をしたりは不可能です。いわゆる「体が覚えている」という状態まで達していませんし、繰り返し同じ動きは出来ません。まだ失敗を交えながらうまく行く回数が増えているだけです。

で、これまた結局ランニングバックの指導や上達に繋がるのですが、単調な動きでまるっきりつまんない基礎の基礎な練習を繰り返し繰り返しやり込んでようやく見えてくるものがある。というタモン式RB養成所で口酸っぱく唱えているアレですね。元京大監督の水野彌一氏も同じような事(水野さんの場合は確か1万回)をおっしゃっていたように思います。しかし、そんなしんどくて辛気臭くてつまんない練習を肉体の限界を通り越すまで継続して頑張るぞなんて若者がこの令和の時代に多く存在するワケがありません。

説得する?諭してその気にさせる?恐怖で強制する?泣き落としてお願いする?まあどれもその場かぎりで継続には繋がらないように思います。ダイエットに代表される肉体改造と同様、本人が本当に必要だと思う以外に自分が変われる方法は無いですもんね。

写真のようにボールを持った自分に対し、守備選手が下半身にタックルしてきたシーンを切り取った練習をしたとしましょう。台となる「守備役」も身を守る防具類はもちろんクッションのような物を持っていようが痛いし怪我の危険があります。力の入れ方や角度などのクオリティも練習する意図を理解して実行してあげねばせっかくの練習もしんどくて痛いだけになってしまいます。そうやって協力してくれる他のRBと交代しながら、この状況を打破する方法を考えて習得する練習です。しかし「知恵の輪」では無いので考えるだけでスコッと抜けたりしません。試合のシーンですとお互いが勢いよく接近してから激突するのですからボールを持ったRBの体は強制的に停止させられ、オフバランスになった瞬間に別の守備選手が迫ってきて地面へ倒されてしまいます。

最初は足元がすくわれて宙に浮き、上半身は前のめりになって推進力を奪われます。下半身が浮いてしまわないようにするにはどうすれば良いのか?衝突の衝撃でボールを落としてしまう事もあるでしょう。何度も何度も失敗して倒されて痛い思いをして悩みに悩んでからコーチがアドバイスすると「足を前に出さないといけない」事に心から納得します。次に足を前に出しながら敵を思いっきり蹴る動きをプラスすれば良いんだと気付きますがこれもまた実際にやってみると非常に難しい。太ももの筋肉を強く打ち付けてしばらくマトモに歩けなくなる通称「モモカン」になってしまう恐怖も頭をよぎります。膝関節が逆方向に極まってしまうんじゃないか?足の骨が折れちゃうんじゃないか?と色んな怖さがあるかもしれません。なので遊園地の絶叫マシンと同じで怖いなら乗らなきゃ良いんです。フットボール、よりによってランニングバックなんてやらなきゃ良いんです。激突から逃げたいならスポーツは他にもたくさんありますし、ましてや年数は掛かろうとも勝ち進めば日本ナンバーワンになれてしまうリーグでやっちゃいけません。

興奮して話が逸れましたので戻します。この恐怖を乗り越えるためには、仰々しいヘルメットやショルダーパッドの無い部分で激しく敵に激突しても怪我などしない。と自分の頭と心に経験を積んで刻み込むしか無いんです。そうすればこの守備の壁をぶち破って強行突破する「技術」を身につける権利と資格が神様から与えられます。激突してからバランスを取りそこからまたアクセル全開にして疾走していく為の技術練習は大変ですけどたまにはやってみてね。上手くなると、もちろん試合でも使うことができます。こんな感じのシーンでは密集地帯で発生します。観客はプレーをよく観ておられるもので守備に囲まれたアナタを「あーこりゃ止められたな」と思われます。その瞬間に相手をなぎ倒して真っ直ぐにエンドゾーンへ駆けて行くアナタに驚き「オー!!」という興奮した歓声がスタジアムに響き渡ります。誰もが止まったなと思う中央のプレーで止められずに走り去る。こんなのとってもワクワクしませんか?

僕の挑戦しているスポーツはレジャーですしせいぜい自然と自分の心が敵ですが、フットボールは複数人が綿密な計画を立て全力で肉体をぶつけて我々ランニングバックの行く手を阻もうとしてくる特殊なスポーツですので襲われ続けるボールキャリアは大変ですね。

今回言いたかったことは、怖いなら辞めちまえではなく、才能に満ち溢れた天才中の天才でない人が今以上になりたいなら、結局のところ失敗を繰り返して何度も何度も訓練するのが王道なんだなと自分の体験を交えて思ったってことです。出来るようになるまで諦めなければ出来るようになるの法則をクリアするにはとてつもない「ど根性」が必要って事ですね。ファンに愛され、敵から嫌われるランニングバックを目指しましょう!!

タモンズスタイル20sep2022

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