多聞コラムVol,263 清教ラッツ廃部決定

清教学園高等学校ファイティングラッツ廃部決定(涙)

自宅のマッサージチェアーで揉まれながらウトウトしてしまい、ハッと起きたら首が痛くて動かせないので治療院や病院へ行ったのですがまだ治っていない中村多聞です皆さんこんにちは。

今回は表題にもありますとおり大阪府は河内長野市にあります清教学園高等学校のフットボールチーム「ファイティングラッツ」が学校からの通達で廃部が決定したという情報を聞き、そのあたりの事情を伺ってみました。

で、そもそも何故清教学園高等学校のフットボールチームの事を?なのですが、実は僕ここを卒業しておりまして、OBなんです。ただし僕が在校中にはフットボールチームは存在しなかったのでフットボールチームのOBではないのですけどね。でもまあ気になるじゃないですか。母校だし。恩師の故板橋先生が作ったクラブですから。

清教学園高等学校のフットボールチームの顧問が僕と同級生の中道美史(なかみちよしふみ)君(以後中道先生)なんです。中道先生は清教から大阪教育大学に進み、母校に舞い戻ってきた男です。まあ大阪と東京って事もあり年賀状のやりとり程度しか付き合いはありませんが「どないなってんのんな!?」と取材してみました。

多聞:いつからフットボールの顧問を?

中道先生:最初はサッカー部を見ていて、我々の恩師である「板橋先生」が退職された事で後任として私が担当になりました。

多聞:ずっと1人で?

中道先生:フットボール経験があるのは私だけで、他にも2人の先生がいらっしゃいますよ。

多聞:僕らに年の近い先生がいましたよね

中道先生:そうですそうです。1つ年上の西澤先生ね。清教学園ではその先生がやっていたスポーツの種目に関係なく顧問する部活を振り分けられるので、殆どの顧問先生はその競技の経験や専門知識が無いんですよ。アメフト経験のある先生だからアメフト部。って事にはならないんです。

多聞:そんな感じなんですか。高校フットボールは3年生の冬まで部活しないんでしょう?

中道先生:それは各高校の考え方で、3年生の1学期に開催される「春大会」で引退する高校もあるし、クリスマスボウルのかかった「秋大会」が終わるまで引退しないという2種類がありますよ。関西で言うと、公立の豊中高校や池田高校、私立の進学校の高槻高校は春まで。立命宇治や王者コウセイなどは秋まで。

多聞:なるほど。高校フットボールってそうなってるんですねー。

このように清教学園高等学校のフットボールチームやその周囲の事を色々と教わり、今回の核心である「廃部」についても話してもらいました。

まず高校フットボール全体に言える事で、部員数不足と指導者不足の問題が大きいと。部員数では、かつての強豪名門校でも入部者が減少していたり、逆に大学並みの100名近い人数を揃えているチームもある。高校生の体力では夏のゲームに問題が出てくるそうで、一方は11人でギリギリ。そしてもう一方は交代メンバーが潤沢。こうなると、熱中症などなって当たり前。下手すれば救急搬送が必要な事態にもなり得る。社会人エックスリーグや大学生であれば、気温などを鑑みてナイトゲームに急遽シフトすることも多々あるが、涼しくなるのは実際には日没後の19時ごろからですから試合終了時刻は22時前後。そこから片付けして帰路についても24時近くになってしまう。これを許容する理解のある保護者が多いのがフットボールの特徴ではありますが、いかんせん高校のクラブ活動は教育の時間でもありますので深夜徘徊はタブーなわけです。そしてそもそも高校の試合会場に試合が可能なレベルの夜間照明設備は用意されていないことが殆どですし。

ですから結局は数十名の人数差を抱えて灼熱の過酷な日中におこなうしか道は無いわけです。そうなると近年ですと例の反則タックル事件で「フットボールは激突を伴う危険なスポーツ」とイメージを植え込まれた一般の方々や学校側はフットボールから大事な子供や生徒を離したくなる。という構図なのです。

反則タックル事件で新規入部希望者が減ってしまい、それを機に部員数がみるみる減ってしまった上にこのコロナ禍という現実があります。事件以前は3学年で30名以上の部員がおり、まあそれなりに試合でも攻守交代メンバーを組めたのですが、それ以降はだんだんと減少。競技に特殊性がありすぎるため、2年生からなど途中入部からでは少し難しい部分もあるので安易に勧誘も出来ない部分もあるようです。

そしてこの部員数が減ったタイミングで学校から2022年のシーズンで清教学園高等学校のフットボールチームは終了。という廃部の判断が出てしまいます。このジャッジが出て以降に入学してきた学年の部活動参加も不可能になってしまいましたので、既存部員+1年生以外の在校生でチームを作らねばなりません。そもそも人数が少ない中で新入生の参加が認められないとなれば、練習そのものが危うくなります。サインプレーの練習や、個人での対戦練習も限られてしまいます。紅白戦や他校との試合などとても不可能になってしまいます。

僕自身も人数が少なくて苦労した事は数チームで経験しましたが、もっと夢や希望が残されていました。もっと先が明るく見えましたが、彼らはそうではありません。

ここで清教学園高等学校フットボールチーム出身で僕に見た目がよく似ている三井勇洋さん(京都大学→OBICシーガルズ)にもお話しを聞いてみました。

三井:学校側にも理由があるんでしょうけど、廃部にする理由になれへんやろと思ってます。試合が出来なくても、人数少なくてもやりたい子がいるならやらせてあげればいいと思います。クラブの形だけでも残してくれたらいいのに。

多聞:一昨年に決まってたらしい

三井:学校がNO言うならしゃあないけど、難しいトコやなあと。周りのOBも「さみしいなあ」言うてましたね。

多聞:もう決まってしまってるので今更どうにも出来ないだろうけど現役の高校生らに何かメッセージを

三井:今は結構苦しいし悲しいだろうけど高校生活で過ごした時間は消えないし、ファイティングラッツで過ごしたことも貴重な3年間です。過去は変えられないし、未来も今はどうしようもないけど、今の積み重ねが未来につながると思うので、満足では無いかもしれないけどフットボール出来る今の環境の中で最大限大事にやっていくことが自分や周りのためにです。廃部を受けてサッサと受験勉強に(フットボールじゃ食っていけないし)切り替えれば良いんだろうけど、そうじゃなくて今の時間をしっかり頑張ることが将来に絶対プラスになると思いますよ!

多聞:クラブ活動してても京都大学に行く人も居るんですもんね

三井:ええ、皆んなには頑張って欲しいですね!

多聞:今日はありがとうございました

廃部は既に決定されている事ですし、ひっくり返してどうこうしたいワケではありません。そもそも僕はサンスター在籍中の1995年に少しコーチしていた以来練習を見に行った事もないくらいですから、ほぼ無関係な立場ではありますが、僕の中学高校時代の6年間を彩った母校のことなので皆さんにお話ししておこうと思った次第でした。少子化で高校はおろか大学も人数不足に悩まされているようですのでこれはマイナースポーツの宿命ですね。斬新で効果的な新入部員獲得方法、誰か発明して発表してください!!
20may2021

清教学園高等学校ファイティングラッツ主な出身者
  • 三井勇洋(京都大学→オービック→大阪学院ヘッドコーチ)
  • 淺野匡洋(立命館大学→パナソニック)
  • 浦川貴史(立命館大学→富士通)
  • 橋本誠司(関西学院大学2014甲子園ボウルMVP
  • 福嶋賢悟(神戸大学→エレコム)
  • 三木達也(関西大学→エレコム)
  • 山本晃大(近畿大学2019副将)
  • 朝枝諒(関西学院大学2021副将)
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