関西関東共に出場校が決まり、いよいよ12月17日は学生フットボール日本一決定戦の甲子園ボウルで、これに勝利したチームが社会人日本一と戦うのが「ライスボウル」です。知らない方のために念のため。
様々な物議をよんでいる現行の決定方法ですが、今回も波乱が起こりました。リーグ優勝を決めた立命館大学が決定戦でリーグ準優勝の関西学院大学に敗れてしまったのです。
過去の甲子園ボウルはあくまでも関西優勝チームが関東の優勝チームを招待するという「特別試合」という枠組みであり、事実上の学生日本一を決めていました。生放送で試合が放映されるのは大阪人にとって当然のことであり、年末の風物詩として関西のスポーツファンの間で君臨してきました。
国立大学である京都大学が強くなると共にフットボールは益々人気が高くなり立命館の台頭などもあり、3強時代に突入しテレビの視聴者も来場者も凄まじい数に膨れ上がっていたと聞きます。
しかし近年では生放送も危うくなったりとフットボール人気は下降気味でした。しかしNHKが甲子園ボウル、ジャパンエックスボウル、ライスボウルという日本の3大ボウルゲームを放送してくださる事になり、大会の方式が少し変わりました。日本協会登録チーム全てがこのボウルゲームに出られる仕組みになったのです。地方リーグにとってボウルゲームは蚊帳の外であった門戸が開かれたのです。
ボウルゲームの開催日は「東京ドームの空き日」と決まっているので参加チーム数が増えてしまうとスケジュールがキツくなる。当然です。しかしなぜかこの苦しいスケジュールに不思議な枠が登場しました。「関西リーグ2位」が西日本エリアのトーナメント優勝チームと対戦し、勝った方が(関西リーグ2位が勝つことは99%決まっている)「関西リーグ1位」と甲子園ボウル出場枠を賭けて対戦する。という若干「へん?」な仕組みになりました。
で、冒頭の「関西学院大学vs立命館大学」の第2試合が開催されたわけです。
現在の地方リーグの力ではこの両チームを倒すにはもう少し力をつける必要がありますのでこの両チームの「再戦」はリーグ戦終了時点で決まっているようなものですした。
つまり考え方によっては、1試合は4つのクォーターですので2試合で合計8クォーター。しかも真ん中で一旦両チームの得点がゼロになるという変則的な試合方法なわけです。
前半負けていても勝っていてもハーフタイムで一旦ゼロになり、後半開始なわけです。これは極めてイビツです。最初の2クォーターあたりで劣勢だった関西学院大学は立命館大学の作戦を全て使い切らせる手法を取り、体当たりで相手の力量を探った訳です。
そして後半、立命館大学の魂胆や力量を読み切った上で自分たちが前半戦に隠していた作戦ばかりを使って勝ちに行った。立命館大学はマンマとそれにハメられた。関西学院大学は2週間で生まれ変わった(チェンジした)ワケではなく、元々1年間かけてやってきた事を出しただけ。そんなにスグに変われるわけがないでしょ。というのがフットボール有識者のご意見として伺いました。
1人のアメフトファンとしては面白い試合が増える事に純粋に嬉しい気持ちではありますが、もしやる側だったらとても大変だろうなと思います。関西学院大学や立命館大学と2週間で2回も試合をしなければいけないなど、ちゃんと学業をこなしながらだと到底不可能なタフさです。早稲田大学などは専任のコーチは1人も存在しないので、他チームの分析などは学生が分担して行っています。2週間とは言え、リーグ戦で負けた方は地方リーグの勝者との試合がありますし1週間はそれに使いますので残りは1週間しかありません。NFLやNCAAだとそのような週1スケジュールが当たり前ですが、それだけを職業にしている専任のコーチや監督が何人も働いていますから、まあどうにかなるってものです。
最近では木曜日に試合をすることもあるので、遠征でマンデーナイトゲームの次に火曜水曜を過ぎればスグ試合。という不運なスケジュールを食らうチームもあるにありますが、まさにそれと同じ事です。まあひどいスケジューリングです。それも全てはNHKに放映してもらう為には仕方のない事なのですね。幸い、関西学院大学も立命館大学も組織力というか人材には事欠かないのでしょうけれど、それでも大変だったと思います。聞いた話ではこのシステムは来年まで必ず続行され、再来年からはまだどうなるか決定されていないそうですので、どうにかもう少し時間的な余裕が生まれるような仕組みにしてあげられれば良いなと思います。
僕はこのコラムでは学生フットボールのことはあまり取り上げてきませんでしたが、最近は自分が学生フットボールに大きく関わっていますので甲子園ボウル出場に賭ける学生たちの気持ちを真横で感じ取っています。先ほども来季の主軸となるメンバーたちに「根性論」を叩き込むミーティングをしてきたばかりですが、いわゆる「大人のハナシ」というものが現役選手を苦しめるような事は避けてもらいたいと感じます。
テレビで放映され注目されなければフットボールの人気や競技人口自体も下がり続けてしまいます。しかしその為に現在頑張っている人たちが身を削らなければならないというのは。。。。
誰もが納得して誰もが頑張れて皆に平等な条件になる夢のような素晴らしい改革が起こる事を強く祈ります。
