多聞コラム1jun2016_vol,134 IBMはパールボウル準決勝ライズ戦

 パールボウルが始まりました。僕が臨時コーチを務めるIBMビッグブルーは予選を勝ち抜き決勝に駒を進めました。担当しているランニングバック陣には「タモン式」独自のゲーム用課題を強制しています。課題のクリアは難しいのですが、チームが勝利したので良かったです。前節は試合場に行かなかったのですが、準決勝のノジマ相模原ライズ戦はサイドラインに立ちました。フットボールの公式戦でベンチに入るのは現役を引退して10年ぶりでした。

特に与えられた役割はありません。ランニングバック陣に何かあれば少しアドバイスする程度です。僕は春から毎週末を使いほぼ休まず練習に参加してはいますが他のポジションの選手らとの交流が殆どありません。名前や出身校、背番号とポジションが明確にわかる選手は数名しかありませんし殆どの選手と会話したこともありませんので彼らとの信頼関係が非常に希薄です。というかほぼゼロです。「あのオッさん誰やろ?」という感じでしょう。

そういう僕のような者が真剣勝負のベンチ内に存在する事を、僕は自分が現役時代に最も嫌っていました。練習場で戦っていない者が試合だけ来て我が物顔でウロウロするな!と、スポンサー会社の偉い(かどうかわからんけどそう振る舞ってる)オッちゃんらがベンチでのさばる姿に嫌悪感を抱いていました。「スタンドで見ろよ!」「邪魔や!」「士気がさがるわ!」「何しに来とんねん!」と。

ですから僕もチームに馴染んでいるワケでもありませんから試合を生で見たいのは当然ですが、スタンドに居たいのです。しかし今回はランニングバック陣に頼まれイヤイヤですがベンチに立ちました。

まずベンチだとランニングバックの動きがよく見えません。ベンチで出番を待つ選手らはボール(LOS)の近くを陣取りますので、僕のような仕事の無い者がその大群に混ざっていては選手交代や作戦伝達などの邪魔になります。ですからLOSから離れた場所で見ます。これだと絶対にスタンドの方が見易いんですよね。

足運びや顔の向き、加減速など、細かいポイントを色々見たいのです。双眼鏡を使ってどうにか見ることが出来ましたが、同じ高さで遠くから見ても奥行きがわかりにくいのでやはりイマイチです。

彼らは僕より20歳以上も若く、自分の子供のような気持ちです。練習で色んなことに挑戦してもらい、過去を捨てて新しい情報を武器に戦え。そうすれば必ず上達する。とアドバイスしています。とは言っても活躍できなかったらどうしよう。大きな怪我をしないだろうか?とハラハラドキドキ心配で心配でたまりません。点差が開くまで(今回は前半で勝負が決まった)の毎プレーは針の筵に居る気分でした。

彼らの才能に加えて「確実に以前より試合で活躍できるネタ」として色んなことを少しずつ毎週毎週インストールしています。僕の教えることを信じて短く大切な選手時代を使ってもらっていますから、上達していなければ僕は単なるウソツキで知ったかぶりの裏切り者になってしまいます。

もちろん彼らが好ゲインを奪えばメチャクチャ嬉しく誇らしい気持ちになります。練習でマスターした動きが出来ていなければ次週以降の課題として残ります。

試合では結果しか問われませんので、これまでの努力がいかに辛く多いものであっても試合でその成果を発揮できねば何の意味も持ちません。逆に言うと途中はどうあれ結果さえ出れば何でも良いのです。ですから試合中に「修正や調整」はそれほど必要ではありません。まだ経験が少なく若い選手であれば、不調な時にモチベーションが下がったりしますが、一流であればそれも自分で乗り越え相手に関わらずいついかなる状況でも安定した心を持ち、同じパフォーマンスが出来るようになります。

こんな感じですので、練習場ではほんの少しだけ僕にも役割があるのですが、試合ではホボありませんでした。ベンチ内に居て、何の役にも立たないのはファイニーズ時代以来で久しぶりです。この無力感はなんとも言えません。まさしく運動会や発表会で子供を心配する過保護な親の心情です。

大活躍してマスコミやファンそしてチームメートからチヤホヤされる醍醐味があるからこそ現役時代にはどんな練習やトレーニングにも耐えられたワケです。「週2回の臨時コーチ」じゃスリルや高揚感が足りません。やはりフットボールをヤル(コーチも同じ)ならフットボールを人生の最優先事項に繰り上げ、エネルギーの全てを注いで大活躍する。それができないなら弱いチームに行くか見る側に回る。で、見るならサイドラインじゃなくてスタンドやテレビで仲間とビール飲んで無責任に楽しむのが良いのだと再認識しました。

長かった春のシーズンはあと2週で終了です。決勝戦は6月13日(月曜日)に東京ドームで19時キックオフです。5万人で大騒ぎしましょう!

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