多聞コラム1aug2020_vol,250「タモン式教本31」練習をゲームと同じ熱量でやってますか?

 ランニングバックの練習で非常に大切な練習のひとつに「ハンドオフ」があります。QBからボールを手渡しでもらうアレです。お互いが目隠ししていても百発百中で寸分の狂いなく。。。を目指すのですが昨今のフォーメーションの主流はショットガンですので、そういった面での精度は以前のセットバック時代ほど高くありません。が、まあそれなりに高い精度で「ハンドオフ」が遂行されないと我々ランニングバックはその後のボールを前に運んでタッチダウンするでー!という仕事に集中するのが難しくなります。しかしまあそれは誰でも知っていますし、練習もそれなりにやっている事でしょう。

で、タモン式ではこのような油断しているとどうしても練習モードでやってしまいがちな個人練習をいかにゲームと同じ熱量で出来るか?を大切にします。ただ、全ての練習は試合で発揮するためにやるわけですから当然と言えば当然です。しかしフットボールをしている人の大部分は心も体もまだまだ未成熟な若者たちです。動きの精度を上げる!なんてマニアックな鍛錬に注意を配り、時間をかけて研ぎ澄まして行くなんてことはとても難しいものなのだと最近だんだんわかってきました。

現在指導している選手たちは「良いお手本を見ながら自分の上達を真剣に考えたことがない」メンバーばかりなので、タモンコーチが言う「良い走り」の合格ラインがまるっきりわかっていません。近年では日本の試合はテレビで放送されることも少ないですし、ネットの放送ではカメラの品質が低く複数アングルからの高精度なリプレーもありませんので技術や戦術を学べる映像とは言えません。1970年代よりもレベルが低くなってしまっている現状に憂いはあります。

そこでチームは試合場にそれほど高額で無い家庭用ビデオカメラを持ち込み自前で撮影したお粗末な映像で試合を見ます。ですから憧れの選手、尊敬する選手、他校のライバル、などなど昔なら自分の紹介文のところに書かれていたような事も同じチームの先輩だったりします。他チームの事に興味を持とうにも情報は自分らが選んだネットの偏った事だけですので敵チームの守備選手の特徴なども知り得ないわけです。

もちろんライバルとなり得る他チームのランニングバックの動きも見る機会がありません。ですから「良いお手本」の情報がほぼ無いのですね。選手らに口で言っても僕のお粗末な説明力では全く彼らの脳みそにイメージさせることが出来ません。そこで仕方なくタモンコーチはスパイクを用意し、お手本を自分で見せる決意したのです。

スマホを三脚に立てて数種類のランプレーを演舞しました。もちろん100%のパワーを出すと腱や筋の全てが断裂しかねませんので、半分ほどのチカラで。ハンドオフ前後の僕の走り方(選手時代のですよもちろん)の最たる特徴は足の裏で地面を掴んで凄い力で蹴り飛ばす、という動きです。その部分をなるべく見てもらえるようにやってはみましたが、体が全く自由に動きません。ウォームアップもストレッチもわざとやらずに大怪我の不安を頭の中心に置いたまま安全に安全に。

そりゃあそうでしょう。齢51歳。体重120キロ以上。普段の運動一切ナシ。そんなメタボ人間が全盛期だった20年前の動きを再現できるわけ有りませんが、まあ少しはその部分を強調してやっておきました。おびただしい量の汗が吹き出し、脈拍は一瞬で急上昇したまま全然下がろうとせず、下半身全ての関節と腱と筋が動くことを拒否し脳みそからの指示に従おうとしませんでした。その日の夜は昔手術した関節が腫れ、その他の節々に痛みが走り、抗炎症薬を数錠飲んで寝床につきました。しかもそれを2日連続でやったもんですから大変でした。いつもよりお腹が空いてたくさん食べたので運動して余計に太りました。

で、話を戻しまして僕が昔に上達できたのは、良いコーチに恵まれたからですが、プロの黒人ランニングバックが必死に練習するシーンを何千プレーと真後ろで録画するかのように真剣に見ていたことも大きな要因の筈です。僕は良いコーチとは言えませんが多くの経験による正しい知識は持ち合わせていますので、選手らにどうにかそれを伝え「良い」「悪い」を分別する眼力を養ってもらう作業をしています。僕と同じレベルで良し悪しを判別出来るようになればあとは「良い」に向かって膨大な量の反復練習を重ねる。

自分が満足できる結果を得られるかどうかは、個人競技ではありませんので練習量や努力量だけで左右されませんが、努力と練習をしていなければ欲しい結果を得る資格もチャンスも無いですからね。そこらへんの「覚悟」や「やる気」についてはまた今度書かせて頂こうと思います。

社会人も学生も変則的にリーグ戦をすると決定したようですし、本格的な練習開始が待ち遠しいですねー。

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