あけましておめでとうございます。と言いましてもこのコラムが公開される時にはもう月の半ば
ですね。皆さん今年度もどうぞよろしくお願い致します! 2013年からこのコラムを始めさせて頂いてなんと7回目の新年を迎えました。最初の頃は完全にフットボールの現場から離れていた「居酒屋のオヤジ」がフットボールファンらとの会話の中からヒントを得て、フットボール全体を斬るコメントをしておりましたが、それが今では皆さんにお声を掛けていただいたお陰で毎日の様にフットボール選手らと楽しく過ごす日々になっています。
僕の選手時代は上達するために自分の足らないところを鍛え、強い部分を伸ばす。そして準備をして練習や試合に臨んでいればそれで良かったのですが、いざ他人様に指導し付き合いを深くしていくとなると、やり方も目標も多種多様です。ですから毎日のように小さな問題が起こります。人にはそれぞれ考えがあり、フットボールが最優先の人ばかりではない事を日々学んでいます。十人十色とはよく言ったものです。
僕の場合はフットボールが最優先の選手生活を送ってきておりましたが、それでもフットボール以外の仕事や用事があったり、24時間全部をフットボールに費やせていたわけではありません。モチベーションが低下するような事は無いのですが、鍛えれば鍛えるほど自分の能力の低さにがっかりし、悲しい気持ちで寝床につく毎日でした。そして翌朝は「今日こそは乗り越えるで!!打倒昨日までの自分!」の繰り返しが何年も何年も延々とグルグル回っていました。
20代で、所属チームを失ったことが2度ほどあるのですが、その無所属中もとにかく体を鍛える事を止めることはありませんでした。この時のモチベーションは「つけた能力を落としたくない」「自分を認めてくれるチームは必ずどこかにある」でしたし、自分に降りかかった大きな問題といっても単に所属チームが無いことだけでした。まあそのうちどうにかなる話ですし、希望通りどうにかなりました。
僕の指導者としての役割は「良い選手をもっと良い選手に」ですので、やる気が二流三流の人のヤル気アップは担っておりません。それは選手が自分で用意し、僕はそのヤル気があふれる若者にランニングバック術を指導するわけです。しかし最近ではそう言ってばかりもいられなくなってきました。今後は低レベルな人の「モチベーションアップ」のお手伝いもしなければいけないのかも知れません。
僕は現在「今年中にライスボウルチャンピオンになる権利(や資格)があるチーム」に所属しています。ですから全員がそこに全身全霊で向かっている事を前提として指導をしてきたわけですが、少し違っているようです。
学生さんだとフットボールを始めてまだ日が浅かったりで日本一を争う試合での激突に耐え得る技術も肉体も持ち合わせていない人がチーム内に当然ながら存在します。社会人でも僕がそうだったようにこれから上達していく事を目指している人もいます。そのような選手たちはライスボウルで活躍して勝つ!という目標は少し先で、とにかく昨日よりも上手くなる!強くなる!が当面の目標でしょう。物には順序がありますので仕方ありませんし当然です。
ただ、その中に体育の授業気分や、ママさんバレー的な気持ちでチームに参加している人がチラホラ存在するのです。本人はそんなつもり毛頭無いのでしょうが、僕から見れば完全にそうなのですねー。
チーム活動に参加している理由は「日本一になりたいから」は表面上同じなのですが、日本一になりたければ日本一の活動をしなければならない。の絶対的な定義には耳を塞ぎ目を瞑りながら、実はみんなそれぞれ様々な理由でチームに所属しているのです。一部の人は自分の限界を超えるような努力は絶対にやりたくいない!という強い強い気持ちを持っているのです。
しかしここに僕の感覚とのズレがあり、指導内容や方法を調整せざるを得ない状況があるのです。シーズンの途中で「僕はヤル気があるので鍛え方を教えてくれ」と言葉通りヤル気のある選手から依頼されたのでトレーニングを指導したりして「これをしばらく続けてトレーニング記録をメモしてね。面倒だけど頑張って」と優しげに笑顔で約束しました。
でもその選手は記録を見せてくれません。どうして見せてくれないの?と尋ねたら「見せます!」と気合十分な笑顔で宣言します。でも見せてくれません。多分ですが、おそらくですが、書いていないのでしょう。もしかしたらトレーニングそのものもやっていないかもしれません。こんなバカバカしいやり取りを数回繰り返すのです。もう僕には対応不可能です。僕が提案したメニューをやりたく無いならわざわざ僕に「鍛えてくれ」と言わなければ済むわけですから。なぜ要求して来るのかがサッパリわかりません。
現代のフットボールストレングスに於けるトレーニング方法は、昔のようにポジション別など大まかなグループに分けてやるのではなく、個別の内容で個人になるべくフィットするようにしなければなりませんし、僕は自分で工夫してそうやってきました。種目やその方法、セット数や回数や頻度などなど、効果を高めるにはその人だけのメニューが必要で、毎日のように測定を兼ねたトレーニングをして成果を上げ続けていかねばなりません。その為にも細かな個人のデータが必要になるのです。初心者のうちはみんなと一緒のことをある程度やっておけばそれなりに体力は付きますが、アスリートになればそれぞれ必要な事は細かく枝分かれします。そこでどれだけ効果的なアドバイスが出来るかが重要なのに最初の第一歩を踏み出してくれないのではどうしようもありません。
もしチャンピオンシップゲームで活躍したければ、今の自分を鍛える必要がない人はそれほど多く存在しないでしょう。先程の例は僕が直接関わっている選手ですが、それ以外でも鍛えない選手は何人も存在します。そんな鍛えない選手に限って勝負所の大切な場面でキッチリ負けて帰ってくるのです。でも、やらない。なぜか鍛えない。フットボールは作戦で勝負するスポーツなので、激突はオメーら下手くその役割だ。くらいに思っているのでしょうか。不思議でなりません。
やらない人は昔から山ほど存在していましたし、現代の方がしっかり体を鍛えている人や組織の割合は多いので、ナチュラルな体ではどうしてもハイレベルなボウルゲームでは苦しくなります。敵チームは大抵しっかり鍛えてきているのですから。
仕事や用事、家族やその他がどうしてもフットボールの足かせになってしまう事は誰しもあるでしょう。それは仕方ありません。でも手を抜いたりサボるならトップを目指す資格が足りないのでは?と思う方も読者の中にもいらっしゃるのではないでしょうか。
でも人それぞれなのですから、その人が自分のヤル気の量をキチンと僕に示してくれていればそれなりに対応を変更するのですが、ほとんどの人はチームの目標に賛同し「目指せ日本一!」と大声で唱えるもんだからややこしい。チームメートとの体裁もあるだろうから「いや、俺は軽く参加しておきたいだけや!」とは言えないんでしょうけれど。
持てる全てをフットボールに捧げている人らが日本の頂点に君臨し続けている現状を冷静に見れば、上に憧れていて上に昇りたい立場の者がやるべき事など簡単にわかるじゃないですか。
勝利したいのか、頑張った経験がしたいだけなのか、他に何か得があるから、なのかは人それぞれだったのだ。みんな同じじゃなかったんだ。ここ数年で完全に学びました。でも我々が愛するフットボールそのものや、真剣に努力している人らに対して失礼のないように活動して欲しいと思います。
