多聞コラム10nov2019_vol,234「タモン式教本29」1番が「成果」として自分が喜び満足できる唯一の結果

 どこの世界にも、天才という連中が存在します。あらゆるスポーツのあらゆる年代、そしてあらゆるレベルに一定数の天才が存在しています。彼ら(彼女ら)の中には自分の成功や凄さの理由をきっちりと把握していない場合が多くあります。やってみれば誰よりも高いレベルで遂行できるのです。我々普通の人間にとって本当に羨ましい限りです。。。。

しかし僕は現役時代に、この天才らが必ずしも「勝利者になると限られていない」ところに目をつけていました。別格すぎた米国プロ選手らにはどうやっても敵いっこありませんでしたが、そこはひとまず置いておき。

理屈はこうです。武道やスポーツには独自のルールがあり、このルールっちゅうもんは僕たち普通の人間が天才に必ず負けるって事を防いでくれているのだ!と定義しました。ですからルールの中で勝利者になる為には、なんと天才らも地道に訓練し練習を重ねないといけなくなっています。

ただ、どんな優れたルールがあろうとも天才が圧倒的に有利なのはやはり否めません。我々普通の人間が天才に勝つには天才が自然にやれている事を分析し、切り刻んだり解剖したりと、とにかく観察し研究あるのみです。

本物のプロ選手たちが人生を賭けたプレーを、ほんの5メートルうしろから数千回以上も生で見た経験から推測し、理屈構築の材料に出来るのが指導者として他の方と僕が大きく違う部分です。

現在はランニングバックのテクニカル指導者ですので米国プロの優れたランニングバックの良いプレーをビデオで何度も観察し研究しています。テレビ映像からでも、圧力や加減速、狙っている的、フェイントや目線などを含めた一瞬の駆け引きなど学べる事がとても多くあります。

最新のフットボールはどうやって勉強してるの?なんてよく尋ねられますが、今は昔と違ってネットで好きなだけ動画や文献を見ることが出来ますしプロの試合もお金さえ払えばオンデマンドで全て閲覧出来るという勉強し放題な環境があります。プロの全力プレーを数プレー見れば10個でも100個でも指導している選手たちに不足している技術や考え方が湧いてくるので、その練習方法も僕の頭から無限に飛び出します。

僕はこうやって天才やそれに準ずるスーパースターたちから毎日の様に理屈を学んでいます。ただしそれらを学生やアマチュア選手それぞれに落とし込む作業がとても難しい事は言うまでもありません。

プロのスーパースターを分解し、それぞれの細かい動きの中で彼らはどの様な事を考え、実行して成功するために何をしているか?を小さな小さな事から理屈を交えて練習に組み込み、ひとつひとつマスターして行かねばなりません。天才らはこんな難しい事を訓練もせずに頭と体を簡単に動かせるのか、、、とゲンナリしながらも我々普通の人間らは打倒天才を目指し前に進むしかありません。

少しずつ少しずつ天才がやっている事の動体模写をしては失敗。何度も何度も正確にトレースしては失敗し、その繰り返しの先で何度やっても同じ動きが出来る再現性がようやく身につきます。しかしコレを試合で使える様になったかどうかは別の話なので、能力を発揮するエネルギーや安定した心も求められます。

天才や優れた環境を持っている人らに対抗するには、彼らが考えもしない方法で努力を重ねるしか僕は思いつきません。

努力しても努力しても成果が手に入らないスポーツは多くありますがフットボールもその一つでしょう。例えば最近ボディメイクといった、ウェイトトレーニングなどで体づくりに励み、痩せたり筋肉質な美しい見た目に変化していくのを目指すスポーツがあります。

コレらは自身のカラダの変化が努力に比例しそれがそのまま喜びすなわち「成果」になりますのでモチベーションの維持が初心者にも可能です。自分の周りにいる知人や家族には「かっこよくなったね」「綺麗になったね」と褒められ高く評価されますし、何よりも毎日鏡で生まれ変わった自分を見ると今日も頑張ろうとなります。試合会場でハードな体当たりで邪魔をしようとする敵も存在しませんし、大会で1位にならなくても「成果」が手に入ります。

その点フットボールは多いチームだと総勢200名、少なければ10数名でそれぞれの役割をこなし年に1度だけのシーズンに全てを賭け、自分では試合時間の半分も出場しない場合もある僕らの愛するフットボールは残念ながら「成果」がコーチやチームメートの働きにかかっています。自分が高いレベルで役割を全うしても試合に勝つという「成果」が作り出せない可能性はいくらでも起こります。先日のラグビーの大会で2位になった選手が銀メダルを喜ばなかったと言うエピソードをネットのニュースで読みましたが気持ちは痛いほどわかります。

コレも何年か経てば良い思い出になるとは思いますが「勝つ事こそ全て」でありそれが成果であると心に決めて競技生活を送っていれば決勝戦に負けても笑顔で「2位だ!やったぜ!」はかなりの大人力がなければ不可能です。3位決定戦で勝って3位の方が精神安定的にはなんぼかマシでしょう。

しかし本気のフットボールを選んでしまったからには1番を目指すしかありませんし1番が「成果」として自分が喜び満足できる唯一の結果です。フットボールは団体競技ではありますが、米国プロでは皆が力を合わせてわっしょいわっしょい一緒に頑張ろう!のスポーツでありません。この感覚、日本人には理解し難いでしょう。それぞれが個々で役割を全うし、それを監督が上手くチームに仕上げます。会話した事のないチームメートが居るのも普通な事です。誰それがちゃんとやってないとか、自分には関係ありませんしサボるような選手は淘汰されます。アマチュアだとどうしてもヘタレが意識高い系の選手を邪魔しますがプロにはそんな選手は存在しませんし、そもそもそんなヘタレに影響されているようでは登り詰めることは出来ません。

我々普通の人間は打倒天才を銘打ち、研究工夫の毎日を送って一心不乱に頑張る自分の姿をチームメートに見せ、ヘタレを意識高い系に変えてしまうくらいの影響力を持ちたいものです。

信じられないほど足が速い、力が強い、上手い、活躍する、といった自分より優れた選手は世の中に山ほど存在します。しかし必ず勝ち方はあるのです。現在の日本にはNFLで通用した人はプレーしていませんので、天才なように見える人もあなたの努力次第で必ず勝つことが出来ます。最強のランニングバックになる為、あきらめずに邁進しましょう!

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