多聞コラム6feb2018_vol,197 「タモン式教本23」 最大のパワーとスピードを100プレー後にも出力できなければいけない

初級者編トレーニングの目標地点

今回もランニングバックシリーズです。ランニングバックになったからには、タックルされても傷まない強い体が必要ですし、足も早くなければなりません。

強い体に分厚い筋肉の鎧を装着し、早い速度でボールを持って移動すれば活躍できることもあるかもしれません。しかし、選手交代が自由であり、攻撃と守備でそもそもメンバーが入れ替わるという特徴を持つ他にはない戦い方をするスポーツですので、他のスポーツ選手と同じように鍛えてもチャンピオンにはなれません。

チームの中心となるランニングバックは、4秒か5秒ほどの短いプレーを交代が居なければキッキングゲームも含めて約100プレーほどを2時間強の試合時間の中で動くのが平均的な数量だと思います。そのうち20回ほどボールを持ちます。残りはフェイクしたりプロテクションしたりブロックしたりでしょう。

相手チームも自チームも選手交代が自由だという事は、試合の最初から最後まで疲労や痛みのないフレッシュな状態の選手が次から次へと出てくると考えるのが普通です。しかし、自分より良い選手がチーム内に居なければ自分が60分間(48分や40分)を戦い続ける必要があります。

ですから試合最初のプレーも、試合終了間際のプレーも全く同じ状態で仕事ができる体力を用意しておく事は非常に重要です。僕のコーチする早稲田大学では選手が200人近く居り、交代メンバーは無数に存在しますのでこのようなハナシは関係ないかもしれませんが、NFLでもランニングバックの登録はせいぜい3名です。総勢50名弱しかメンツが居ませんので大抵の選手はキッキングにも多く出場するのが当然です。アマチュアと違い、試合じゃ使えないレベルの選手がチーム内に1人も居ないので50人弱と言っても日本の感覚とは少し違いますが。

話を戻しますと、フットボールは毎プレー全力で行うスポーツです。相手が当たって来たりつかんで来たり、広いフィールドを縦横にダッシュで走り続けたりと凄まじく体力を消耗するスポーツです。これを2から3時間の間(NFLでは4時間のことも)に100回ほど全力で敵と戦うわけです。

体を鍛えたり、練習で体力を養うときに常に頭の片隅に置いて欲しいのですが、最大のパワーとスピードを100プレー後にも出力できなければいけない!と言う事です。皆さんも計ってみればスグにわかると思うのですが、フットボールはおおよそ30から50秒毎、つまりだいたい40秒毎にプレーをします。NFLですと攻守交代時にCMが入りますのでペースが一定ではありませんが、日本ですと攻守交代時もあっという間に次が始まります。

つまり、この約40秒毎に長くて5秒ほど全力を出し、ハーフタイムを挟み50回を2度繰り返す体力があれば良いのですね。オーバタイムや15分クウォーターに備えてもう少し長い時間耐えられるようにしておく必要もあります。もちろんそれ以上に強くても良いですが、その余力は別の鍛錬に使うべきかもしれないって事も視野に入れておかねばなりません。

鍛える事そのものが仕事ではないのがフットボール選手でありランニングバックですので、鍛えるポイントはどこにあるのだ?をキチンと理解しておき、自分の価値を高めるトレーニングメニューを考えて継続する。考えて正しい答えを出す為には事前に学んでおかねばならないことも多くあります。あらゆる理屈を学び知識化し自分を知り無駄を省き目標に向かって高い精度で徹底的に継続する!という誰でも知っている当たり前なハナシであります。

5秒全力30秒(から40秒)休憩のサイクルでトレーニングするのがランニングバックの鍛え方。コーチが笛を吹いてイヤイヤ走る場合は手抜き者が続出するので、もっとハードなメニューにしなければなりませんが、自分が自分の為にやるならコレで充分でしょう。自分の為にやる鍛錬で手を抜くあるいは抜いてしまう人はそもそも競技スポーツには向いていないのでこの話には無関係ですが、そんな変な奴がたくさん存在しているのも日本フットボール界の現状ですのであなたにも勝つチャンスが山ほどあります。

何ごとにも興味を持ち、調べ、学び、工夫して、継続。毎度同じことばかり書いておりますが、実際に選手らを前にしたコーチングのときも大体こんな感じで同じ事を繰り返し繰り返し叫んでいます。ただしんどい事をやりまくるのではなく、頭も使って賢く能力アップ。そしてランニングバックであるアナタがフィールドを支配しましょう!

新生剛二さんが運営する「QB道場」からの招待で今オフ期も全国クリニックツアー開催しております。年始に関西地区を済ましまして、2月には東海地区、そして関東地区、3月には九州地区と、何か少しでも皆さんのお役に立てればと思い、所属するノジマ相模原ライズと早稲田大学ビッグベアーズの練習を休ませていただき「これがアメリカのランニングバックがやっている事ですよ」の普及活動をしております。タモン式ランニングバック養成所では「日本のランニングバックのスタンダードを変える」を目指しています。これからもよろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました