【ハドルボウル】
今年も1月27日28日の2日間、ハドルボウルが開催され、僕も「ゴリゴリ大学」の監督として、そして「出張ゴリゴリバーガー出店者」として参加してきました。ハドルボウルとは、難病に苦しむ子供達の夢を叶えるお手伝いをする団体「Make a Wish」にアメフトOBらがチャリティーでビシッと寄付しよ!と言う趣旨で生まれた大会です。内容は運動不足なオッさんらの昔取った杵柄で楽しむフラッグフットボール大運動会です。
「ゴリゴリ大学」はNFLヨーロッパリーグ経験者を中心にメンバーを集めて作ったチームですが、今年度の該当者は僕だけ。もちろん国内リーグで名を馳せた有名選手が数名所属していますが、最近は単なる雑魚集団になってしまいました。これではハドルボウル開催前(ハドルボウルって言いにくいな!と思っていた頃)にチェアマンの堀古ヒデジさんから仰せつかった「今度、大学 OB対抗のフラッグフットボールの大会を催すからタモンも有名人集めてチーム作ってよ。そう言う有名人らはどうせ母校のチームでもあんまり出場しないだろうし引っ張り出せ!」「はい!やってみます!」から始まり、各大学の皆さんがメンバー募集をする前からアプローチし続けたことが実り、オールジャパンを遥かに凌ぐビッグネームなメンツを擁し第1回大会を迎えました。
がしかし当日は大雪で会場が使えず延期となり、気が進んでいないスター軍団のスケジュールを無理矢理あけてもらったので延期された日には皆が欠席。結局スーパースター軍団は結成されないままに終わってしまいました。ハドルボウルが関係者の中での認知度を高め多くのチームが「フラッグが上手そうなOB」を探しはじめ、そのようなスター選手らも「ゴリゴリ大学」より愛着のある母校から出場するようになり「ゴリゴリ大学」にはスターがほとんど居なくなりました。
チームのメンバーはエントリーしていない大学のメンバーが中心の寄せ集めなので、練習を企画しても殆ど集まれません。ですから練習なしで試合ができるような工夫をして行きました。我々の記録は8度の大会出場で、14勝10敗、準決勝まで2度進んだ経験があります。よそのチームは多種多様なプレーを披露されており、練習をしっかりなさっているんだなーと感じます。皆さんの勝利への執念やチームへの帰属意識も我々とは比較にならないほどの高さで試合に臨んでおられるのを見ていると、やはり昔の仲間でチームを再結成している事はとても羨ましく、ハドルボウルに出る度に仲間はずれ感があり、悲しい気持ちになっています。
しかしそんな事は気にせず毎度精一杯楽しく遊ばせてもらっています。チャリティーオークションの司会や、ネット放送rtvのコメンテーター、そしてバーガーの売店をしたりと、試合どころではないほどに大忙しなのです。
で、今回で我が「ゴリゴリ大学」は次回大会の出場はしない事になりそうなので、僕らの攻撃スタイルの秘密をお話ししたいと思います。プレーブックも練習も無いチームがどうして勝ち越せているのか?敗戦した10試合のうち5試合は勝ちに行っていないので、中々の戦績だと思います。
フラッグフットボールは5人でおこないます。レシーバーにNFL経験者4人を並べた攻撃が、最も殺傷能力が高いことは言うまでもありません。しかし若い頃ならフラッグ用の狭いフィールドじゃ疲れ知らずで丸2日くらい平気だったでしょうが彼らも今や40歳をこえたお父さん。プロレベルの選手は必ず「ONE PLAY AT A TIME」を実行しますのでフル全力でフットボールしてしまう癖が残っています。ついつい手を抜くのを忘れてしまうのです。で、疲れちゃうかどこかが傷んでしまって交代してしまいます。次に出てきた選手は下手すると学生時代に運動経験が無いようなのも混じっていますので、フットボール特有のセットプレーをあまり理解できないことがしばしば起こります。この中で彼らを使ってスコアしなければならないので我々は次の方法を徹底する方針にしました。
- ランプレーをしない
- ランのフェイクもしない
- 最初に並ぶ隊形は常に同じ
- QBは真後ろで止まり左右に動かない(ロールなしでドロップバックのみ)
- 当然複雑なプレーは無し
このような正攻法のみの作戦に絞りました。そしてプレーは4人ともが5ヤードで振り向く「全員フック」をベースとして、今回も1度だけ5人ほどが集まった練習時(監督の僕は欠席!)でもこの「HOOK」だけを練習しました。
どんな下手くそでも慣れてくるのでうまい具合に守備の隙間でフックしていたらボールが飛んで来ます。フラッグを取られなければランアフターキャッチでもう少し進めることもあるので、ランプレーのように確実に前進出来ます。相手チームは最大6プレーを守らねばならない「刻む」攻撃方法ですのでイライラさせられます。そしてたっぷり時間を使うのでフットボールと同じくボールコントロールオフェンスが展開できるわけです。
相手守備は5名で守っていますが、1名が7ヤード先からブリッツしてくるので残りは4名。奥が残っているフィールドポジションではロングパスが怖いのでどうしても深いエリアに人員を配置したくなるのが人情です。守備の1人が深いエリアに下がり、浅いエリアに3人しか守っていないところへ4人のレシーバーを送り込むので必ず誰かがノーマークになる。という仕組みです。5ヤードしか前に出ていませんのでQBの投げるボールは12ヤード程度です。これだと守備選手が反応してもボールの滞空時間が短いのでカットしたりも非常に難しく確実に前進します。守備側が4人フックばかりだと気づいて浅いエリアに4人を置くような作戦に変えて来たら人の居ない深いエリアに「フックフェイクの縦」で勝負します。後出しジャンケンなのです。
しかしこの刻み戦法にも当然弱点があります。まずフットボール出身のQBだと投球距離12ヤード以内の超ショートパスばかりだとストレスがたまります。長い絶妙なパスを投げたくなる衝動を抑えてもらわねばなりません。次にキャッチミスが許されない事です。3回の攻撃でファーストダウンを取る算段ですので1度でも落球すると残りの2回で5ヤードだけ進んでも仕方なくなるので長いのを投げざるを得ません。そうなると失敗する確率も上がるのでスコアできない回数も増えてしまいます。
また、守備はどうやっているかと申しますとコレは僕の案ではないのでお話しできません。ゴリゴリ大学には異様に守備範囲の広い超ド級のホンモノDBが1名おりますので、外から守備コーディネーターがサインを送り、ベストメンバーだけで臨んでいます。
でもまあ売店の方が忙しいので、サイドラインにメンバーの半数しか来れなかったりと、いったい何しに来ているのかわかんない状態でもあります。
出場チームも凄まじい数になってきており、僕らの「大会を盛り上げる」という役割は済んだよねと中心メンバーらと話しています。ハドルボウル発祥時には日曜が休みの仕事をしておりました。しかし今はハドルボウルやこのコラムのおかげでフットボール界にカムバックしておりますし、自分の成長と成功を信じてガムシャラに頑張っている若者たちに全エネルギーを注ぎたいなぁなんて思っています。
