さて、いよいよ今週末は学生日本一を決める「甲子園ボウル」です。昨年は早稲田大学のコーチとして出場させていただいたのですが、今年は残念ながら関東代表になれず、観戦する側になってしまいました。早稲田大学としても来季こそは出場権獲得だと既に2018年シーズンの練習を開始しています。
大学生のフットボール選手として、そしてランニングバックとして、目指すべき場所って考えた事ありますか?はい、甲子園ボウル。またはライスボウル。そこでMVPを獲る。などが挙げられると思いますが、本来であればNFLのドラフト1巡1位指名を目指し、何年も連続でプロボウルに選出されるのを目指すのが正しいよね!と最近強く思うのです。
先日ご紹介した、僕がとても応援しているキッカー佐藤選手(IBM)も本気でNFLを目指して活動していますし、他にも多くの日本人プレーヤーがNFLを現実の就職先として見定めている時代です。何も変ではありません。
ただ、日本で活躍していても中々NFL32チームのスカウトが見てくれているとは思えませんので、まだもう少し時間はかかるのかもしれません。しかし世の中なんていつ何がどうなるかなどわかりません。準備しておいてもそれほどに損はしないと思うのです。NFLが定めた体力テストで高得点をマークすれば日本のリーグでも役に立つことなど当然ですしね。
まず、英会話はよく言われますが、これは正直言って人間力が勝負です。コミュニケーションスキルが低い人は母国語だろうが第二外国語だろうが関係ありませんので弱肉強食を地で行くNFLや団体スポーツの世界では必ず淘汰されます。
でも今回のコラムではNFL攻略を全体から検証するのではなく、ランニングバックとしての視点です。ドラフトにかかろうと思えばまず各チームに自分が認知されておく事は当然です。そして「あなたは中々いい選手なようですので今度コンバインを受けに来てください」というインビテーションが来ます。来たとします。そこでテストされる内容を予習しておき、最大限の準備をしようではありませんか!という事です。
テストには体力テストと実技テストがあります。体力テストでスカウトの関心を惹かなかった選手や「なんだこいつ」と期待をはるかに下回った選手は実技テストに進むことができません。ですからまずは体力が問われます。NFLを目指すアメリカ人の若者と体力テストで上位に食い込む為の練習をしなければなりません。近年ではアメリカ人もこのコンバイン向けに専門家に習ったり塾に通ったりするのだそうです。
このコラムでも何度も書いていますがまずフットボールの世界では何十年も昔から何よりも重要な体力とされているのは皆さんご存知の「40ヤード(約36メートル)走」です。これ、足の速さを見ている。なんて呑気な考えでは好タイムを叩き出せません。あくまでも「40ヤード走」という競技ですので、何度も何度もフォームやムーブメントを試行錯誤し改善に改善を重ねて記録を上げて行くものです。ブッツケ本番で何とかなるもんではありません。
NFLコンバインの募集要項を読むとルールが記されています。このルールに則って練習を重ねなければなりません。
1:スリーポイントでセットする。とあります。これは陸上競技の両手を付いた4ポイントセットはダメという事です。陸上選手がそのまま来てもダメな仕組みになっています。
2:「エエで」と合図されたら2秒間静止して自由にスタート。指が動いたところから計時開始。
3:2回計らせてくれる。休憩は10分強。つまり10分で体力を回復させておく必要があるのです。
4:次の人を撮影しているテレビカメラの撮影範囲に入るべからず。最近はこのコンバインがスポーツイベントとして大金が動くのでTVショーとして綺麗な絵にしたいからというだけの為です。でもそういうところでボヤッとしてたら「あいつは肝心な時にボヤッとしそうだ」という理由でスカウトから見捨てられます。
その他にも簡単な規制はありますが、ザッとこれだけが重要項目です。
40ヤード走は5秒以内にカタがつく短時間勝負です。20歩から25歩で走り切るワケですが、自分が何歩でゴールを切るのか、それは右足なのか左足なのか、でもそれが本当に一番良いストライドでありピッチなのか、もっと良くなる方法はないのか、などなど、こだわればキリが無くなります。でもそれを突き詰めて時間を使い予定と1ミリの違いも出さず全ての足運びを完成させているかどうか?!を考えて40ヤード走に取り組むようにタモン式ランニングバック養成所では推奨しています。
他にも反復横跳びみたいなのが2種類ほど、垂直跳び、立ち幅跳び、など数種類あります。これに関しても40ヤード走と同じく事前に最大限の練習が可能です。1つ1つの種目を「れっきとした競技」と捉え研究工夫し記録の向上を目指すのは当然です。準備が容易な分、ライバルたちも練習を重ねて実力を上げて来ますのでより一層の努力が求められます。
そしてもう一つ重要なのが「ベンチプレス」ですね。225LBという約100キロちょいの重りを何回挙げられるか?という勝負です。
これも非常に重要ですが日本ではあまり関心を引いていない競技と言えます。ただ、現状日本の大学トップリーグでも細身な選手だとこの225LBを1回も挙げられないという恐ろしい事実があります。そういう虚弱な選手でも試合では活躍したりがあるウチは日本からドラフト圏内に入り込める選手が出てくる見込みはありませんので弱い人は底上げの為にもう少し反省して努力してください。NFLから見ればそういう人はフットボールをする資格が無いって意味なので気をつけましょう。
僕の考えるベンチプレスのNFL合格ボーダーラインは、WRやDBのような細身のポジションだと15回。RBやLBのようなサイズだと20回。ラインマンやパワー派の選手は25回。まずはこれをクリアできていればNFLスカウトの前で恥ずかしい思いをしなくて済みます。30回できれば中々です。40ヤード走で5秒を超えてしまう人は是非30回以上を目指してください。手の幅は81センチ以内です。アメリカ人選手は手の幅が日本人の感覚より随分狭いです。手が長い分、余計に大変なので腕が短い日本人はルールギリギリの81センチに幅広く持つ練習をしてください。監督官によっては81センチラインよりも小指を中に入れなさいとなる事もあるので、どの場合でも挙げられるようにしておく事も忘れてはなりません。ここでもパワーリフティングのルールとは違う場合がありますので、当日何を言われても動じない精神力と自信が必要です。
こんな感じでコンバインの傾向と対策の概要を少しご説明してみました。実際には皆さんの周りにこの「40ヤード走」「リフティング」「フットボール実技」「その他」を指導できる人が居れば良いのですが、なかなか居ないとおもいます。
そこで!シーズンオフの今だからこそ出来る、タモン式ランニングバック養成所がQB道場とのコラボレーションとして今回のような競技力向上を目的としたクリニックを開催します。まずはその体験版として大阪は12/17に尼崎で、12/29には新宿で「オフシーズン特別企画」として今回のようなお話をもう少し実際のフットボールに近い部分を細かくご紹介しようという企画です。人数は無制限ですので、今からでもぜひお申し込みください。お問い合わせはQB道場へお願いします。info@qbdojo.com
では甲子園ボウルを楽しみましょう!どちらが勝つのか今からワクワクです!
