多聞コラム1feb2017_vol,154「タモン式教本13」鍛えた体はその競技でフルに使えてナンボです

 昨年度から多くの方に「タモン式」のランニングバック術をご紹介させて頂く機会を得てそれなりに楽しくやっております。「タモン式ランニングバック養成所」という屋号の元、本格的な活動開始から1年間が過ぎようとしています。上達した選手、変化のあった選手、気づきを感じてくれた選手、変化の無かった選手と、様々な結果が出始めています。

タモン式の活動は、チーム練習に帯同して一定期間に集中する方が当然効率よく前に進みます。一方で単発形式でのクリニックですとどうしても「ほんの僅かな部分」しかご紹介する事が出来ず選手の皆さんは「???」となってしまうようです。また「こんなのじゃダメだ上手くならない」と思われてしまう事もあります。そりゃあそうでしょう。これまでに習った事ではないヤリカタをご紹介しますのでスーッと理解してスムーズに上達するハズがありません。数時間だけでは染み付いたクセや考え方が邪魔をして自身の殻を破れずに「タモン式は自分に合わない」となるのが普通でしょう。

「やる気と運」だけで上達できた僕に比べれば、最近の若者達のレベルは凄いものがあります。食事やトレーニングに細心の注意を払う事などごくごく当たり前で、フットボールへの取り組みが僕らの時代とは比較にならない程にレベルが高くなっています。その彼らがタモン式で伝える「あとほんの少しの知識」を脳ではなく体で動かせるようになれば、ニッポンフットボール界のランプレーが今よりもっともっと面白くなるハズです。

新しい事をインストールしたらスグに理解して体がついてくる選手、理解はするが体がついてこない選手、理解はできないが何となく出来てしまう選手、理解も動きも出来ない選手と様々です。運動神経がとても良い選手であっても、目的と理由をしっかりと理解していなければ次のステップに進めないという事もわかってきました。

技術を向上させるにはその目的と理由をしっかりと理解するのが先で「ココでアクセル全開にしなければいけない」と言われたら盲信して反復練習するか、意味までしっかり理解してから取り組む。この2択しかタモン式を習得する方法はありません。

なぜここでフル加速しなければダメなのか?をとことんまで話し合い、その選手が持つスペックを全て出し切れるようにするのが「教え」の根本です。ですから一人一人指導内容が違ってきます。上達すればするほどに隣の選手とは違う事を指摘されるようになります。選手の性格も鑑みるので物の言い方やポイントも全てカスタマイズして説明します。100説明してもピンと来なければ1000説明します。その中で1つでも光を感じて貰えればそこを詰めていく作業を一緒にやって行きます。僕はそうやって長きに渡って多くのコーチ達から情報を得ながら自分にフィットする方法を模索し、モノにしてきました。地道ですが確実性が高まる方法の一つです。

闇雲にタモン式を盲信して毎日鍛錬を積むもよし、深く説法を聞き完全に理解しながら取り組むもよし。何れにせよ膨大な時間と努力が必要です。週に1度や2度の練習と会議を繰り返しているだけでは時間が全く足りません。プレーヤーはその他に先述した「根本的な体づくり」の為に食事やトレーニング、休息などにも最大限の努力を義務付けられます。その強度レベルは世界を目指すオリンピック選手と同様である事も当然でしょう。つまり休む時間など全くありません。

それにプラスしてランニングバックとしての格を上げていく作業を毎日せねばなりません。この毎日に耐えられなくなり僕は選手を引退しました。引退する日まで、または欲しいトロフィーを手にする日まで、目標は人それぞれでしょう。でもほとんどのプレーヤーは同じトロフィーを狙っています。そのライバル達を圧倒する為に時間と努力を費やして行かねば明るい未来は待っていません。現在の社会人リーグではアメリカ人選手という大きな壁もあります。彼らを打倒する事はニッポンに古くから伝わるランニングバック術では不可能です。

「ニッポンのランニングバックのスタンダードを変える」と銘打つタモン式ですが、僕たちが養成したいのはニッポン独自のニッポン人にだけ通用するフットボールではなく、大きく強く上手いアメリカ人選手と対等に戦っていく為の「心と体」です。僕は80年代から90キロ以上の体重でランニングバックをしてきました。全盛期には105キロを超えてはいましたがアメリカのプロ選手には「技」が全く敵いませんでした。4.4秒で走れる足も、ベンチプレスで200キロを支える筋力も、全ては「考え方と使い方」で結果が変わります。それが「技(テクニック)」です。フィジカルをいくら鍛えても心がついて来なければ競技に生かされません。頭がついて来なければ同じく競技に生かす事は出来ません。

必死の思いで鍛えた体はその競技でフルに使えてナンボです。僕らはそのサポートをして行きたいと思っています。ランニングバックの事であれば殆どの事に解答を持っているつもりです。これも日々勉強で見識をアップデートしていますし、古代フットボールと近代フットボールを融合し良いトコ取りする為の研究は欠かしていません。10年以上前に選手を辞めてからずっとその事を考えてきました。

色々とコーチとして呼んでいただく機会が増えてきて嬉しく思っていますが「ホンモノの男」を後押しする楽しさは自分がタッチダウンするよりも心が騒ぐのだと知りました。

もうすぐシーズンが始まろうとしています。結果は努力の量と比例します。ライバルを倒せるように選手の皆さんは頑張ってください。

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