2015oct8
先週のコラムで「注目すべき」として挙げた3つのゲームのうち富士通スタジアム川崎で行われた2つのゲームを観戦しました。前年度日本王者の富士通に挑んだノジマは新外国人QBアンダーソンの不振により、点数的に競る事なく順当に敗退。そして翌日にはIBMに対してアサヒビールが前半は食らいつくも後半失速でこちらも前年度成績上位チームを食う事なく敗退。
どちらかのチームのサポーターではなく、面白い試合を楽しみにしているフットボールファンからすれば、下馬評では負けていても試合内容ではドキドキさせてくれるのを待っているのです。結果は勝ったり負けたり色々あるでしょう。でも戦い方や内容もファンは期待しています。前年度成績が下位のチームが「今年こそは」と必死で戦ったようには見えなかったのが残念でした。
フットボールやスポーツを初めて会場で観るという方でも「あの3番凄いね」とか「40番はよく捕るね」「83番もすごくない?」というような事があります。これはその選手がわかりやすく活躍しているから(あいにく守備選手やラインマンの活躍というのは初心者には見えづらく、場内放送だけが頼りになるのですが)です。
その活躍というのも、ボールを持つ機会が多くヤードを稼ぐ。という方法しかありません。ついさっきも活躍した選手がまた活躍すれば、そのスポーツを観るのにこんなにわかりやすい事はありません。フィールドは広くヘルメットのおかげで顔つきや髪型が一切わからないのも初心者を遠ざけます。体の何箇所にも大きく貼り付けた「番号」だけが判断の全て。体型の微妙な違いや手足の長さは遠目には判別基準となりません。
そこで「ボールを持つ機会が多い選手」が集中的に注目されると言えるでしょう。特に目立つのは連続でボールを持った時です。
トップチームのQBはフィールドに散らばる味方を見つけてパスを投げ込むのが上手です。昔と違い、パスの飛んでくるタイミングが早く、距離も長くなっています。そのために守備選手は以前よりもパスを守る範囲が広くなってしまいました。つまり!!!
「ボールを持つ機会が多い選手」であるランニングバック(最新用語でランビー:RUN-B)は走りやすくなっているのです。真ん中の密集地帯に守備が多ければパス、少なければラン。というプレーの選択が当たり前の時代なので、昔のように9人の守備に8人のブロッカーというギュウギュウの密集地帯というのはかなり減っています。そして短いパスをキャッチして走る機会も増えています。ですからいくらマッチョでデッカいアメリカンの守備選手が居ようとも「何が何でも突破してやる」という身体中の毛穴が広がりまくる程のアドレナリンを出して突っ込めばどうにかなるってもんです。逆に言うとそうしていないからどうにもならないんです。
もし攻撃のラインマンが劣勢であればパスのプロテクションの最中に、猛威を振るっている敵の選手を削りに行けば良いのです。そして情緒か肉体を不安定にさせます。「またあいつがわき腹に突っ込んできたら嫌だなー」「今度来たら痛い目にあわせてやる」などと余計な事を考えて貰えばそれでOK。又はどこかに痛みを感じさせる。たったそれだけで次に彼のやるべき仕事がわずかながらでも疎かになります。そうなれば味方のラインマンも仕事がやりやすくなり、次に待っているのはランビーの大活躍シーンです。
ゲームという名前ではありますがフットボールは擬似戦争です。プレー中に休む暇など一切ありません。「仕事がない」という事も絶対にありません。ボールを持たない時は「ブロック」「プロテクション」「フェイク」などが主なので自分が担当する敵はいつもと違い1~2人だけ。この1人か2人に対して出場プレー中にどこまで仕事をしているかでボールを持った時の活躍度が変わるのです。目立たない時に休憩などせず、地味に色々と活動。非常に重要です。
勝つか負けるかわからないゲームでキーパーソンとなり「個人の勝負」には絶対に負けないように必死で努力工夫する。これが結果として「チームプレー」になるのです。チームメートに熱い言葉をかけまくるのが「チームプレー」ではありません。自分の力を向上させ、その力をゲームで出し切る為に全てを賭けるのが「チームプレー」であると僕は思います。
次節、そして2ndステージ以降はもっと緊迫した接戦を期待したいですね。
