多聞コラム16july2015_vol,102 世界選手権準決勝でメキシコ粉砕

 世界選手権準決勝でメキシコと対戦した日本代表は全てにおいてメキシコを凌駕し粉砕しました。非常に痛快で、メキシコが気の毒になりました。彼らも以前は決勝戦で好ゲームを演じたチームですので数年で日本との差がこれほど開くとは予想し得なかったのではないでしょうか。

試合開始早々のキックオフで僕のイチオシであるWR18番の木下選手がリターン。あのプレーはメキシコの素晴らしいキックによりエンドゾーン奥深くまで蹴り込まれましたが、試合開始早々にタッチダウンを狙う木下選手の心意気を見る事ができ、非常に興奮しました。あれほど深い落下地点(マイナス7ヤード)の場合、通常だと負けているチームが一矢報いる為、または控え選手がコーチへのアピールの為にリターンする程度で、試合開始早々にエースがやるプレーではありません。それほど最初のプレーに気持ちを込めていたのだという事でしょう。ボールの飛距離があったのでいつもより0.5秒ほど長くブロックせねばならない事を前方のメンバーは気づいていたかもしれませんが、このプレーでは8度ほどフェイントを入れ相手の突進を崩す木下選手独特の走り方だったのでスピードが乗り切らず、更に味方選手らのイメージしていたブロックのタイミングとはうまく合いませんでした。

そしてブロッカーではなくリターナーとして出場している選手がメキシコ選手に差し込まれてしまい、木下選手が通りたいルートがなくなってしまいそうになりました。とは言うものの、全速力に近い速度で走行していますので、大きなコース変更は出来ません。狭まる通り道のギリギリを駆け抜けようとしましたが、味方に衝突しては申し訳ないという優しい思いから20cmほどコース変更。しかしその差し込んできたメキシコ選手が木下選手に決死のタックル。エンドゾーンまで行く用の遠くを見る視野になっているので、味方選手の陰になっている(ブロックしているはずの)敵の細かい動きはよく見えません。意識の中にはもちろん置いてはいても、自分と敵の間に味方選手が居ると、ブロックしてくれている筈だ。という感覚になります。これはチームメイトを信頼していればしているだけ起こり得る現象です。しかし敵はブロッカーをモノともせず木下選手にタックル。惜しい。ブロッカー全体があの深さからのタイミングに合わせられていれば1発独走になるハズでした。

そしてその後にこれまたWR81番クリハラ選手。彼のフィジカルが最大に発揮されたプレーで先制点。短いパスを受け、バランスを崩した上にメキシコ選手2人に囲まれた状態。そこで終わるだろう、近くにいる者がタックルしてくれるだろう、などと楽天的になっているラテンの血が、「11人全員でタックルせねば格上(ランキング)の相手を倒せるワケがない」という大前提を忘れさせ、疲れてもいないのに守備全員が足を止めてしまうのです。周りに人がいない上に活躍に飢えているクリハラ選手。本来だといかに彼が俊足でも、あのタイミングであの位置からだとマトモなセーフティとセカンダリーであればサイドラインに押し出されます。うまく中に切れ込んだとしても70ヤードの独走タッチダウンは難しかったでしょう。しかし、ラテンの血が騒いでしまい一旦プレーを止めてしまったメキシコ守備ではあれほどの超スピードでエンドゾーンに走られたら追いつきません。クリハラ選手の動いている映像は何度も見ていて、素晴らしい動き、クイックネス、スピード、アメリカ人に引けを取らないと思っていました。やはりメキシコ程度じゃ勝負になりませんでしたね。色んなことを吹っ切って日本でも常時大活躍する姿を期待します。超イケメンでマッチョなナイスガイ。クリハラ選手の顔がメディアに出まくる事で日本でもフットボールファンが増えるのでは無いでしょうか。

米国と再び対決する決勝戦では、両チームのボールキャリアーがどのように倒れているかを見ていただきたい。注意するポイントは2点あります。11人対11人で試合しているので、ボールキャリアーが1人目に近づいてきた守備選手に倒されていてはいつまで経っても前に進めません。ですから必ず1人目にはタックルされない事。

そして次に重要なのは1人目は当然の事ながら2人目や3人目のタックルをまともに食らわない事。相手の手が当たったりしても、ハードなヒットをされないで、前のめりでダウン出来ているかどうか。ゲインしたヤード数も重要ですが、ボールキャリアーがどのように戦っているかも是非ご覧いただきたい。

勝つ為には「良いプレー」だけじゃ足りません。「凄いプレー」を勝負どころで何回できるか。両チームの誰もが想像すら出来なかった「凄いプレー」で日本が勝利する場面に期待します。頑張れニッポン!

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