自宅に「スモールガレージジム」を設置したことは２年ほど前にこのコラムでも書きましたが利用するのは他人様ばかりです。そんな設備がありながら実は自分じゃ一切トレーニングしていないんですよねー。選手時代にあまりにも頑張りすぎて引退後１５年経った今でも「燃え尽き症候群」とかいうのを患ったままなのです。
しんどい事や辛い事に耐えられない人間性になってしまったのですね。いえ、正確には元々の人間性に戻ってしまったんでしょうかね。
体重は現役時代の全盛期より約２０キロも増え、健康のためにと度々ダイエットに取り組むも上記の「しんどい事、辛い事」に該当する為、悔しいですが継続出来ません。
で、今回は「思い」について最近感じたことをお話ししたいと思います。
ランニングバックの育成をする時には「心から上手くなりたい」と思っている選手のサポートがしたくて活動しています。ここは結構キモになる部分で、まず最初にレベルや量に関係なく「今の自分を変えたい」と本気で思ってるかどうかを大切にします。
才能に溢れた人もそうでない人も関係なく「心から上手くなりたい」「今の自分を変えたい」と思うところが最初ですからね。そしてその次は目指す場所を具体的に定め、可能であれば時間的な制限も設ける。例えば半年後に４０ヤード走のタイムをコンマ５秒早くするなどです。そうすると、目標地点から逆算していけば今日、明日、今週、今月、今シーズン、今年、何をして何がどうなっていなければならないかが明確に決まりますよね。進行していけば上達や体力などが捗ったり滞ったりもあるでしょうからその時は途中を修正すれば良いだけのこと。たまに間違えてゴールを下方修正する人も居りますが。
目標が高くて険しければ険しいほどそして期限が近ければ近いほど鍛錬の内容は当然ハードになってきます。この大変さに負けてしまうか、乗り越えられるかは最初に自分が用意した「本気で思ってるかどうか」に左右されます。生まれつき備わっている体躯や才能はほぼ関係ありません。
「思い」が最も重要であり「思い」は最強です。
冒頭で登場した今の僕はトレーニングはおろか少しの減量ですら継続できません。理由はただひとつ。「本気の思いが無いから」です。もう少し痩せてシュッとしたいな。健康になるかな。といった情熱の行き先としてはしょうもない目標なのでガムシャラになれないのでしょう。
どんなに大変で先が見えない時もズーっと努力邁進していた頃の若かった自分と比べ、現在はヤル気ゼロのダメ人間です。
競技者でもない今の僕がヤル気ゼロで全然ダメなのはまあ良しとして、フットボール（に限りませんが）選手として「心から上手くなりたい」や「今の自分を変えたい」と思っているといないとでは、指導の難しさが全然違います。
コーチ業をして初めて知ったのが、競技スポーツの選手なのに「心から上手くなりたい」や「今の自分を変えたい」と思っていない人が一定数存在するのだということです。この言い方は語弊がありますね。そこまでしんどい思いする気はない。と言った方が正しいでしょう。確かに３０代半ばで選手として晩年の自分を思い返してみれば、全盛期以上に上手くなろうなどと考えてはいませんでした。昔培った能力を維持するためのトレーニングなどはそれなりにやっていましたが、若い頃の努力量に比べれば幾分か割り引いてたと思います。
そのような全力で上達を目指していないベテラン選手はまあ例外としても、誰がどうみてもリーグのレベルより低い能力しか発揮出来ていない立場なのに何を指導しても話をしても山の如く動かない人が居るのです。「頑張らない」と固く自分に誓っているのかもしれません。どうして何も変化がないのだろう？と悩んだりもしましたが、おそらく僕のことは上を目指していないのに上に案内しようとする変な奴に見えているのでしょうね。
逆に「心から上手くなりたい」や「今の自分を変えたい」と思っている人はとにかく質問が多いのです。練習中もミーティング中もとにかく質問が多い。前出の頑張らない人らはもちろん質問なんてしてきませんから物凄く差があります。自分の身近にランニングバックに関する事なら色々知ってる便利な奴が居る。と僕を重宝がって質問攻めにしてくる人は、きっと上手くなるし変われるでしょう。
どこまで到達できるかは人それぞれですし、フットボールというチームスポーツは組織の総合力ですから簡単に優勝トロフィーを奪れる事はありませんが、まずは自身が選手としてリーグのトップ格に成長するためにはどうすべきか？をしっかり考えましょう。
そして「熱くて強い思い」が心の底から溢れ出てきたら、便利な僕をしっかり活用してくださいね。ネットで色々検索するより早いし確実ですよ。
コロナもあるけどとにかく上を目指してみんなガンバレ！！
