学生フットボール開幕
コロナでリーグ戦の開幕が遅れてしまいましたが、関東学生リーグではもの凄いカードが組まれていました。フットボールファンの皆さんも、もちろん僕も非常に楽しみにしていたゲームです。そう。復活した日本大学フェニックスと法政大学オレンジです。
無観客試合ですので会場には行けず、ネット放送で観戦した感想を書いてみたいと思います。
もちろん最初に注目するのはフェニックスのQB林選手です。1年生時に甲子園ボウルで勝利、最優秀選手賞を獲得しこのまま史上初の4年連続個人賞独占か!?なんて記事も当時に書きましたが、ここ2年は残念ながら受賞ならずでした。
この法政オレンジ戦までは(僕には)一切の情報が無く、どのくらい腕を上げているのかとても楽しみにしていましたが、我々ファンの期待通りに「日大のエースQB」として威風堂々とした試合運びを見させて貰いました。
コロナの影響で、どのチームも試合経験不足のせいか「体当たり」の部分に難があるように見えましたが、これはほぼ全てのチームが平等なので、段々慣れてくるのでしょう。例えば、自分から少し遠くを走っているボールキャリアーにタックルする際、両腕を伸ばし横っ飛びで相手の下半身あたりに激しくぶつかりながら腕で抱きつくのが「タックル」なのですが、多くの選手が横っ飛びの最中、先に自分の膝が地面に着いてしまい相手の足まで手が届かないような事象が散見されました。まあ相手の足も地面も当たると痛いし怖いものですから、この恐怖心を早く払拭出来たチームから順番に勝ち星が増えていくのでしょう。
そして、両チームのランニングバック陣も非常に目につきました。数名の選手が入れ替わり登板していました。僕は長きに渡りランニングバックの専門家ですので、選手の動きを見れば普段どのような取り組みをしているのかがおおよその予想がつきます。
僕のようなマニアック過ぎる指導者から習っていない事はハッキリわかります。皆さんタブーを犯すのですが、経験とセンス、スピードや運動神経でリカバリーするシーンが何度もありました。習っていなくてこんな上手に守備選手の隙間をすり抜けていく事が出来る。大画面で友人らと見ていたのですが試合中「凄い凄い!!」と何度も叫びましたよ。
まだ試合をしていないチームが多い中、暫定1位タイの日大フェニックスと明治グリフィンズに追随するために、ランニングバックの皆さんが出来る事はなにか?
僕自身もそうでしたが指導する場合でもよく使うフレーズで「その練習ホンマにエンドゾーンまで行く気でやってるか?」というのがありますが、もちろんプロのアメリカ人もよく使います。「Think score on every drill」なんて言われますが、守備陣のタックルが甘いコロナ明けの序盤戦はボールキャリアがとても有利なようです。ヒットやタックルは一夜漬けや付け焼き刃ではどうにもならない奥の深い技術ですもんね。まだ皆さん本気で練習してきた時間が足らないのでしょうね。
タックルをしくじった選手が、心の底から本気で反省して猛練習に猛練習を重ねてくるまではめっちゃくちゃチャンスです。その頃にはボールキャリアもヒットやタックルに慣れてきて、差を詰められないようにしないとですね。
変わっていく時代の中で、日本のフットボールも随分と変化してきました。入れ替え戦も無いへんちくりんなシーズンですが、好きなように体が動かない年齢になった時に後悔しないような選手時代を送ってもらいたいと思います。
皆さん頑張ってくださーい!!